プロ野球 ロッテ 選手ら11人感染 6日の試合は予定どおり開催へ

プロ野球 ロッテ 選手ら11人感染 6日の試合は予定どおり開催へ
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プロ野球 ロッテは6日に、新たに角中勝也選手など7人の選手をはじめ、1軍の関係者合わせて11人が新型コロナウイルスに感染したと発表しました。ロッテは急きょ、1軍の選手の入れ替えを行い、本拠地での6日夜のオリックス戦は、予定どおり開催するということです。
ロッテでは4日に、今シーズン5勝をあげている岩下大輝投手と1軍のチームスタッフの2人が新型コロナウイルスに感染していたことが分かりました。

このため、1軍の関係者全員がPCR検査を受けた結果、首位打者を2回獲得している角中勝也選手や、阪神から移籍したベテランの鳥谷敬選手など、選手7人とコーチ1人、チームスタッフ3人の合わせて11人の感染が6日、新たに確認されました。

このうち数人は検査を受けた後、発熱がありましたが、いずれも症状は軽いということです。

球団が11人の、検査を受ける2日前からの行動履歴を調べたところ、いずれも球場での練習と試合以外に外出はしておらず、保健所からは、今のところ濃厚接触者はいないと連絡を受けているということです。

一方で、和田康士朗選手など4人の選手が、保健所から岩下投手の濃厚接触者とされました。

ロッテは1軍の選手の入れ替えを行い、千葉市のZOZOマリンスタジアムでの6日夜のオリックス戦は、予定どおり開催するということです。

パ・リーグで現在2位のロッテは、首位のソフトバンクを2ゲーム差で追っていて、今シーズン残り28試合となる中、多くの1軍選手の離脱は15年ぶりのリーグ優勝に向けて大きな痛手となります。

新たに感染確認 荻野選手や鳥谷選手など11人

プロ野球・ロッテで新たに感染が確認されたのは次の11人です。

選手は7人です。

荻野貴司選手、
角中勝也選手、
清田育宏選手、
菅野剛士選手、
鳥谷敬選手、
藤岡裕大選手、
三木亮選手です。

コーチは1人で、
伊志嶺翔大走塁兼打撃補佐兼外野コーチ補佐。

それにチームスタッフ3人の合わせて11人です。

感染確認の岩下投手の濃厚接触者は和田選手など4人

保健所から岩下大輝投手の濃厚接触者とされたのは、次の4人の選手です。

東妻勇輔投手、
小野郁投手、
山本大貴投手、
和田康士朗選手です。

松本球団本部長「1日も早く回復して現場に戻ってきてほしい」

松本尚樹球団本部長は報道各社の取材に応じ、今回の選手などの新型コロナウイルス感染について「手洗いやうがい、消毒、マスクを徹底する中で陽性となり、コロナの怖さを感じた。選手たちには1日も早く回復して現場に戻ってきてほしい」と話しました。

そして感染した選手は、10月2日から4日まで千葉市にある本拠地のZOZOマリンスタジアムへの移動と球場での練習と試合以外に外出した記録はなかったということで、「保健所とも話をしたが、感染経路がどこでどうなったか全くわかっていない」と説明しました。

一方で、1軍の主力が離脱したため、2軍から昇格する選手に対しては「優勝争いをしている中で、若い選手が残り28試合を戦うのは、今後に生きるいい経験だ」と話していました。

井口監督「若い選手にはチャンス 頑張る」

井口資仁監督は、新型コロナウイルスに感染した1軍の主力選手が離脱したことについて「最善の形で感染対策をする中で出てしまった。主力が抜けることは優勝争いをしている中で非常に残念だが、逆に言えば若い選手にはチャンスだ。試合に出られるのは非常にいい経験になるので、チャンスに変えて頑張っていきたい」と話しました。

また、離脱した選手とは、6日の朝に連絡を取ったということで「全員が最善を尽くした中でなったので、彼らに対しては『1日も早く元気になって戻ってきてほしい』と伝えた」と明かしました。

プロ野球選手の新型コロナ感染21人に

プロ野球選手で新型コロナウイルスの感染が確認されたのはこれで21人となりました。

3月26日に初めて藤浪晋太郎投手など、阪神の3人の選手の感染が確認されました。

また、再三延期されたシーズン開幕に向けて練習試合が始まった直後の6月3日には、巨人の坂本勇人選手と大城卓三選手の感染が確認され、この日の練習試合が中止となりました。

6月19日にシーズンが開幕してからは、8月1日にソフトバンクの2軍で調整していた長谷川勇也選手の感染が確認され、翌2日に予定されていた西武との公式戦が中止となりました。

9月23日と24日にはオリックスの2軍の左澤優投手と竹安大知投手の感染が確認されました。

9月25日には阪神の糸原健斗選手、岩貞祐太投手、陽川尚将選手、馬場皐輔投手、浜地真澄投手の5人の感染が確認され、さらに2人の選手が保健所から濃厚接触者とされました。

阪神は、糸原選手などと会食していた福留孝介選手など4人の選手も、球団独自に濃厚接触者と同様に扱い、この日のヤクルト戦では10人が1軍の出場選手登録を抹消された一方で、特例措置を使って9人の選手が代替選手として1軍に昇格し試合は行われました。

そして、今月4日にロッテの岩下大輝投手の感染が確認され、6日新たに荻野貴司選手、角中勝也選手、清田育宏選手、菅野剛士選手、鳥谷敬選手、藤岡裕大選手、三木亮選手の7人の選手の感染が発表されました。

そして保健所から4人の選手が濃厚接触者とされました。

戦力ダウン必至

ロッテは、新型コロナウイルスに感染した選手7人と濃厚接触者とされた選手4人の合わせて11人が離脱することになり、戦力ダウンが避けられない状況となっています。

ポジション別では、ショートと外野手の離脱が相次ぎました。

このうちショートでは、ここまで92試合のうち87試合で先発していたレギュラーの27歳、藤岡裕大選手をはじめ、控えで今シーズン阪神から移籍した39歳の鳥谷敬選手と、28歳の三木亮選手の合わせて3人が離脱する事態となりました。

また外野手では、去年初めてベストナインに選ばれたリードオフマンの34歳の荻野貴司選手をはじめ、ここまで52試合に先発して中軸を担うこともあった27歳の菅野剛士選手、それに先発や代打の切り札としてチームを支えてきた首位打者を2回獲得している33歳の角中勝也選手と、ベストナインに輝いたことがある34歳の清田育宏選手が相次いで離脱となりました。

さらにリーグ3位の21盗塁を決め、試合終盤の代走として重要な役割を担っていた21歳の和田康士朗選手も濃厚接触者とされました。

また中継ぎの23歳、小野郁投手はチームで2番目に多い33試合に登板。

8月30日から10月1日まで12試合連続無失点の好投を続け、リリーフ陣を支えていました。

ロッテの感染対策は

ロッテでは4日以降、1軍で8人の選手を含む13人の感染が確認されました。

松本尚樹球団本部長は6日、報道各社の取材に対し、今回のチーム内の感染について、保健所からクラスターと呼ばれる感染者の集団の発生は確認されなかったと連絡を受けたことを明らかにしました。

チームでは、新型コロナウイルスの感染予防として選手やスタッフは手洗い、うがい手指の消毒といった基本的な対策を行ったうえで球場のロッカールームでもマスクを着用してきました。

今後は試合中、ベンチにいる選手とランナーコーチもマスクを着用することになりました。

また球場内の消毒は5日済ませたということです。

選手の感染経路は分かっていませんが、チームでは遠征先での外出についてルールを定めていました。

外出自体を禁止にしていた時期もありますが、先月29日から今月1日まで札幌市で行われた日本ハムとの3連戦は、部外者を参加させず、参加人数が4人以内であれば会食を認めていました。

この間、会食をした選手はいなかったということで、これまでルールを破った選手もいないということです。

しかし東妻勇輔投手、小野郁投手、山本大貴投手、和田康士朗選手の合わせて4人の選手は、今回の札幌遠征で利用した飛行機の座席が感染が確認された岩下大輝投手と近かったことで濃厚接触者となりました。

2軍から11人が昇格

ロッテで新型コロナウイルスの感染者と濃厚接触者とされた合わせて12人の選手が、新型コロナウイルスの特例で1軍の出場選手登録を抹消され、かわりに2軍から11人が昇格しました。

昇格したのは、
▽4年目の26歳・佐々木千隼投手、
▽5年目の22歳、成田翔投手、
▽今シーズン育成選手から支配下登録されたベネズエラ出身のフローレス投手、
▽2年目の20歳・藤原恭大選手、
▽ドラフト3位ルーキーの22歳・高部瑛斗選手、
▽ドラフト5位ルーキーの22歳・福田光輝選手、
▽3年目の21歳・西巻賢二選手、
▽5年目の22歳・茶谷健太選手、
▽4年目の26歳・宗接唯人選手、
▽2年目の26歳・松田進選手、
そして32歳の細谷圭選手です。

昇格した11人のうち、9人が20代で1軍経験の少ない選手となっています。

疫学専門家に原因の分析依頼し対策検討

プロ野球、ロッテで新たに選手7人を含む1軍の関係者11人が新型コロナウイルスに感染したことを受け、12球団は6日午後、オンラインで臨時の実行委員会を開き、今後、疫学の専門家に原因の分析を依頼して感染予防の対策を検討していくことになりました。

6日午後、臨時で開かれた実行委員会では、ロッテから感染者が出た状況について報告を受けたうえで、各球団がどのように対策を進めていくかについて意見を出し合いました。

今回のケースでは感染経路がわかっておらず、実行委員会では今後、疫学の専門家に原因の分析を依頼して感染リスクの回避や予防の対策に役立てていくことを決めました。

NPB=日本野球機構の井原敦事務局長は「これだけの備えをして選手一人一人が自覚を持っていたにもかかわらず、こういう状況が続くので、恐ろしいウイルスだと受け止めている。専門家の解析内容を12球団で共有し、今後の対策に生かしていきたい」と話していました。

このほか会議では対策の一つとして、一部の球団から多くの選手と接触するトレーナーや通訳などのチームスタッフについては、検査の頻度や回数を増やす案が出されたということです。