サウジアラビア メッカ巡礼 国内に住む人に限り人数制限し再開

サウジアラビア メッカ巡礼 国内に住む人に限り人数制限し再開
中東のサウジアラビアでは、新型コロナウイルスの影響でこれまで制限していたイスラム教の聖地メッカへの巡礼を、国内に住む人に限って再開しました。
サウジアラビアではことし3月、新型コロナウイルスの封じ込め対策としてイスラム教の聖地への巡礼を原則停止する異例の措置をとり、年に1度実施される特別な大巡礼「ハッジ」でも国内のみを対象に人数を大幅に制限しました。

サウジアラビア政府は4日、制限を緩和し、巡礼者を国内に住む人に限り人数を制限して再開し、聖地メッカでは未明からマスクをつけた巡礼者たちが間隔をとりながらカーバ神殿の周りを回ったり礼拝したりしていました。

政府は緩和の理由について明らかにしていませんが、国内での感染者数がことし6月にピークを迎えて以降減少傾向となっていることや、原油安やウイルスの拡大による影響などで失業率が急上昇していることなどから、経済活動を優先させたものとみられます。

サウジアラビアにとって全世界からイスラム教徒が訪れる聖地巡礼は重要な外貨獲得の手段でもあります。

政府は来月からは一部の国に限って国外からの巡礼も認める方針で、落ち込んだ国内経済を立て直したいねらいがあります。