トランプ大統領 新型コロナ感染で政権運営や選挙戦へ影響も

トランプ大統領 新型コロナ感染で政権運営や選挙戦へ影響も
アメリカのトランプ大統領が新型コロナウイルスに感染し、軍の病院に入院したのに続き、来月の大統領選挙に向けたトランプ陣営の選挙対策の幹部も相次いで陽性が確認されており、大統領選挙が1か月後に迫るなか、政権運営や選挙戦への影響は避けられない見通しです。
新型コロナウイルスに感染したトランプ大統領は、2日午後、首都ワシントン近郊の軍の病院に移動して入院し、今後、数日間は病院から執務を続けることにしています。

その後、トランプ大統領は、2日深夜、日本時間の3日昼すぎになって入院先から「どうやら良好だ!皆さんに感謝している」とツイッターに投稿し、体調は良好だとアピールしました。

また、トランプ大統領の容体について主治医は、「大統領の体調はとてもよく、酸素の補給は必要としていない」と明らかにするとともに、トランプ大統領は新型コロナウイルスの治療薬として使われている「レムデシビル」の投与を受け、「安静にしている」と説明しました。

ただ、トランプ大統領の周辺では、再選に向けた選挙対策本部のステピエン本部長や、共和党全国委員会のマクダニエル委員長も検査の結果、陽性だったことが判明しました。

また、これまでの検査で陽性が確認された共和党のリー上院議員と、ティリス上院議員、ノートルダム大学のジェンキンズ学長、それに、コンウェイ元大統領顧問は、いずれも先月26日にホワイトハウスでトランプ大統領が連邦最高裁判事の指名を発表した記者会見に参加していたことがわかっており、ホワイトハウスやその周辺で感染がさらに拡大しているのではないかという見方も出ています。

大統領選挙が1か月後に迫るなか、トランプ大統領に加えて選挙対策の陣営や共和党関係者などのあいだで感染が相次いでいることで、政権の運営や選挙戦への影響は避けられない見通しです。

側近など 感染相次ぐ

トランプ大統領の新型コロナウイルスへの感染が明らかになったのに前後して、トランプ大統領の側近などのあいだで、感染が相次いで判明しています。

ホワイトハウスではまず、大統領の顧問を務める最側近のヒックス氏の陽性が1日に判明しました。

さらに、2人の共和党の上院議員や保守系の大学の学長、それに、コンウェイ元大統領顧問の感染が判明し、この4人はいずれも先月26日にトランプ大統領が連邦最高裁判事の指名を発表したホワイトハウスでの記者会見に参加していました。

また、トランプ大統領の周辺では、再選に向けた選挙対策本部のステピエン本部長や、共和党全国委員会のマクダニエル委員長も陽性が確認され、トランプ陣営のなかで感染が拡大している可能性も指摘されています。

一方、大統領の感染を受けて大統領と接触した可能性がある政権幹部らは相次いで検査を受けていますが、これまでのところ、ペンス副大統領、ポンペイオ国務長官、バー司法長官、それに、ホワイトハウスの高官を務めるトランプ大統領の娘のイバンカ氏と夫のクシュナー氏については検査の結果、陰性でした。

職務継続できない場合 ペンス副大統領が大統領代行に

アメリカの憲法は大統領が死亡したり、職務を継続できなくなったりした際には、副大統領が大統領の職務を引き継ぐと規定しています。

トランプ大統領の症状が悪化して集中的な治療を受ける必要が生じるなど、一時的であっても職務を継続できなくなる場合は、ペンス副大統領が大統領を代行することになります。

過去にはレーガン大統領やブッシュ大統領が手術や検査で入院した際に、この規定が適用され、当時の副大統領が一時的に大統領の職務を務めたことがあります。

また、副大統領も死亡したり、職務が遂行できなくなったりした場合に備えて、大統領権限を継承する順位も定められています。

それによりますと、副大統領以降は順番に、連邦議会の下院議長、連邦議会の上院議長代行、国務長官、財務長官などとなっています。