トランプ大統領 軍の病院に移る「問題ないか確認してもらう」

トランプ大統領 軍の病院に移る「問題ないか確認してもらう」
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アメリカのトランプ大統領は、新型コロナウイルスの検査で陽性と判明したことを受け、首都ワシントン近郊の軍の病院に移りました。トランプ大統領はビデオメッセージで「体調はいいと思うが問題がないか確認してもらう」と述べ、ホワイトハウスは念のため今後、数日間、病院から執務を続けるとしています。
アメリカのトランプ大統領は2日未明、新型コロナウイルスの検査で陽性と判明したと明らかにしました。

これを受けてホワイトハウスは2日夕方、軽い症状が出ているものの元気だとする一方、「主治医のすすめもあり念のための措置として今後数日間病院から執務を行う」と発表しました。

そして、2日午後6時すぎ、トランプ大統領はスーツを着てマスクを着用しホワイトハウスの庭で待ち構えた報道陣の前に姿を現し、歩いて専用ヘリコプター「マリーン・ワン」に乗り込んで、首都ワシントン近郊の軍の病院「ウォルター・リード」に移りました。

またトランプ大統領のツイッターには午後6時半ごろビデオメッセージが投稿され、このなかでトランプ大統領は「素晴らしい支援をしてくれたみなさんに感謝したい。私はこれから病院に行く。体調はいいと思うが問題がないか確認してもらう。ファースト・レディーも順調だ。心から感謝する。決して忘れない」と述べました。

ホワイトハウスは、トランプ大統領の健康状態について、主治医の診断として「大統領は疲れているが元気だ」としていて、大統領は点滴で抗体医薬の投与を受けたほか、ビタミンDや解熱鎮痛剤なども服用したとしています。

トランプ大統領に投与の抗体医療とは

抗体医薬は、体内の異物を排除する「抗体」と呼ばれる物質を人工的に作りだし、薬として患者に投与するものです。

ウイルスなどの病原体を攻撃してくれるため新型コロナウイルスの治療薬としての開発も進んでいて、アメリカなどでは実際に人に投与して安全性や有効性を検証する臨床試験が始まっています。

今回、トランプ大統領が投与を受けたのは、アメリカの製薬会社「リジェネロン」社が開発中の抗体医薬で、2種類の抗体を組み合わせた「カクテル抗体」と呼ばれるものです。

先月29日には初期の臨床試験に参加した患者275人分の分析結果が発表され、投与された患者ではウイルス量が減少したほか、症状が軽くなるまでの期間が短縮されるなどの結果が出たということです。

リジェネロン社によりますとこの薬は、いわゆる「人道的使用」の手続きを経て大統領に提供されたということで、「今後、効果を検証するために、臨床試験を進めていく」としています。