“迷惑キャンパー”になってませんか? コロナでブーム加速!?

“迷惑キャンパー”になってませんか? コロナでブーム加速!?
新型コロナウイルスの感染拡大のなか、人混みを避け、自然のなかで非日常を味わえるキャンプがブームとなっています。
1人で楽しむ「ソロキャンプ」や設備が整った環境で気軽にキャンプを楽しむ「グランピング」が近年人気を集め、キャンプを楽しむ人が増える中、SNS上では、一部の心ないキャンパーによるマナー違反に怒りの声が上がっています。
(ネットワーク報道部記者 小宮理沙 野田綾 斉藤直哉 SNSリサーチ 三輪衣見子)

まさか!私有地でたき火?

東海地方で牧場を経営する男性もその1人です。先月、SNS上で写真を投稿しました。
朝早く、男性が所有する畑で牧草の収穫をしていたところ、牧草地に乗り入れた乗用車とテントが目にとまりました。

近寄ると、テントの脇には木炭を使ってたき火をした様子もうかがえます。
テントの中にいた人に声をかけると、1人でキャンプをしていたといいます。

注意したところ、すぐに謝罪して退去したということですが地面でたき火をしていたため、大事に育てている牧草の一部が焼けてしまいました。

男性は、こうした迷惑行為を繰り返してほしくないと、SNSに投稿したといいます。
牧場を経営する男性
「もし火の粉が風に飛んで山火事になったら大変な被害になります。これ以上まねをする人が現れてほしくない、という思いで投稿しました。また、牧草地に捨てられたゴミを牛が食べてしまったら大変なことになるので絶対にやめてほしいです」

各地でも 相次ぐ投稿

SNS上には、迷惑行為の現状を知ってほしいと投稿が相次いでいます。

北海道別海町にあるキャンプ場では、管理人の注意をよく聞かずにたき火を行い、直径30センチあまりにわたって芝を焦がしてしまったキャンパーもいたといいます。
ツイッターの投稿文
「キャンパーさんが泊まった跡が、たき火です。黒焦げになった大事な芝。今年はたき火をするキャンパーさんが多くいたのですがかなりの確率で芝を焦がして帰りました。来年はおそらくたき火禁止になるでしょう」
キャンプ場の管理人によりますと、例年は年間2、3か所しか焦げの跡は見られないということですが、今年は6月以降すでに十数か所の焦げ跡が見つかったということです。

このほかにも各地で多発しているのが、ゴミのポイ捨てです。
ツイッターの投稿文
「また心ないキャンパーが!不法投棄して帰りました。たき火後に残飯やペットボトルなどを燃やしてありました」
投稿した地元に住む男性によりますと、ゴミが捨てられていたのは釣り人なども利用する河川敷で、キャンパーがバーべキューをしたあと大量のごみを残していったということです。

このため男性は、知人と一緒にゴミを処理したといいます。
住民の男性
「生まれ育った場所がゴミでいっぱいになるのは悲しいです。最低限のマナーは守ってほしい」
さらに、騒音や暴走のトラブルを起こすケースまであるようです。
ツイッターの投稿文
「キャンプ場のオートサイトで車、バイクをとめているのはいいよ。でもバイクを空吹かし、車を猛スピードで走らせたり。迷惑」

迷惑行為で キャンプ場閉鎖も

ルールを守らないキャンパーの増加で閉鎖を余儀なくされたキャンプ場も出ています。

兵庫県猪名川町にある「大野アルプスランド」のキャンプ場は、予約なしで無料で利用できることから親子連れなどが集まる人気のスポットでした。

ところが、キャンプ人気の高まりとともに3、4年前から利用者が急増。ゴミを散らかすほか、芝生の上で直接たき火をするといったマナーの悪い利用客が目立つようになりました。
町は看板を立てたり、直接利用者にマナーを守るよう呼びかけてきました。

それでも、散らかしたゴミの回収で管理の負担が増えてしまったほかキャンプ場に来るまでの道路にも空き缶などのゴミが捨てられるようになり、地元住民から苦情が寄せられるようになったといいます。

町は去年1月でキャンプ場の一時閉鎖を決めざるを得ませんでした。

いまは再開に向けて地元の住民らと協議を重ねていますが、「再三注意しても直らなかった」とか、「再開したらまた同じことが起きるのではないか」といった不安の声が相次いでいて、閉鎖から1年半以上がたっても再開できずにいます。
猪名川町 担当者
「よく利用していた人たちから『できることがあればボランティアで手伝います』と温かい声をかけてもらっていたので閉鎖になってしまい非常に残念です。たくさんの人に町を訪れてほしいので、なんとか再開に向けてやっていきたいのですがなかなか再開には踏み切れません」

迷惑行為 なぜ相次ぐ?

相次ぐ迷惑行為について、日本キャンプ協会の高橋宏斗さんに聞きました。高橋さんは新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続き、開放的な空間を求めてキャンプに出かける人が増えているのも要因の一つなのではないかとしています。
日本キャンプ協会 高橋宏斗さん
「長引く外出自粛でこれまでキャンプをしてこなかった人も、外に出たいという欲求にかられて、キャンプ場に足を運ぶことが増えたんだと思います。そうした慣れないキャンパーの中に『悪意なく、知らずにとった行動』が、迷惑行為につながっていることも大いにあるのではないでしょうか。私有地への勝手な侵入は法律に触れてしまうこともあるため、こうした行為は絶対にやめてほしいです」

キャンプ場のルール確認を

そして、高橋さんは、誰もが安全に、気持ちよくキャンプを楽しむためのアドバイスをしてくれました。

まず、キャンプ場の利用方法を事前に調べることが大事だといいます。

▽消灯時間や▽直火でたき火ができるかなど火の使い方、それに、▽ゴミの捨て方など、キャンプ場によってルールは異なるといいます。

ルールを事前に把握しておけば、迷惑行為にならないよう必要な備えをしてキャンプに臨むことができるといいます。
日本キャンプ協会 高橋宏斗さん
「キャンプ場が決めたルールは、利用者の安全を守るほか、不快な気持ちにならないためのものです。また、キャンプ場の自然や動物を守るためのルールでもあるんです」
また、▽大きな声や音を出さない、▽ゴミは分別して指定の場所に捨てる、▽芝の上でたき火をしないなど必要最低限のマナーを守ることも大事だといいます。

キャンプは皆が楽しむもの

最後に、高橋さんからキャンプを予定している人たちに伝えておきたいことがあるといいます。
日本キャンプ協会 高橋宏斗さん
「キャンプは自分たちだけが楽しむものではありません。そこにある自然や動物に敬意を払って、同じ場所にいる人たちが皆で楽しむためのものです。自分のしていることが迷惑行為になっていないか注意したり、ちょっとした気遣いを持つことができれば、皆が気持ちよく、楽しく過ごせるのではないでしょうか」