コロナ感染で死亡 “ヘルパーが原因” 遺族が運営会社を提訴

コロナ感染で死亡 “ヘルパーが原因” 遺族が運営会社を提訴
新型コロナウイルスに感染して肺炎で亡くなった広島県三次市の80代の女性の遺族が、感染したのは、当時利用していた訪問介護のホームヘルパーが原因で、介護事業所がヘルパーへの安全対策を怠ったため女性が死亡したとして、運営会社に対し賠償を求める訴えを広島地方裁判所に起こしました。
訴えを起こしたのは、ことし4月に新型コロナウイルスに感染して肺炎で死亡した三次市の82歳の女性の遺族です。

訴えによりますと、女性はことし4月、市内の介護事業所から派遣されたホームヘルパーの訪問介護を自宅で受けたあと感染が判明し、その翌日、広島県が濃厚接触者としてこのヘルパーを検査したところ、感染が確認されたということです。

ヘルパーには3月末に発熱や味覚の異常などの症状があったということで、遺族はヘルパーのほかに女性の感染経路は考えられず、所属していた介護事業所が症状を報告させるなどの安全対策を怠ったために死亡したと主張して、事業所の運営会社に対し4400万円の賠償を求めています。

遺族の弁護士は「感染防止のため、ヘルパーの健康を管理する重要性は高まっていた。新型コロナウイルスをめぐって介護事業所の責任を問う裁判はこれまで聞いたことがなく、全国的に珍しいと思う」と話しています。

一方、運営会社は「弁護士に一任しているため、コメントできない。裁判の経過を見守ってほしい」としています。