30代以下の女性の自殺 去年比74%増加 新型コロナの影響も

30代以下の女性の自殺 去年比74%増加 新型コロナの影響も
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いま、女性の自殺が増えています。特に30代以下の女性の自殺は去年に比べて74%増加し、専門家は「新型コロナウイルスのさまざまな影響もあると考えられるが、女性は子育てや家事などでストレスがあっても周りに相談しにくいことが多いのではないか」と指摘しています。
警察庁によりますと、ことし8月の1か月間に自殺した人は全国で1854人で去年の同じ時期に比べて251人、16%増加しました。

男女別では男性は去年より6%増ですが女性は40%も増えています。

特に30代以下の比較的若い世代の女性の自殺は去年より74%増加し、1か月間に193人が亡くなっています。

「サインに気付いて」

福祉関係の仕事をしている関東地方の25歳の女性は自殺未遂の経験があり、ことし7月にもSNSに「死にたい」と書き込んでいました。

女性は「周りも含めて新型コロナウイルスの影響で生活のリズムが崩れどんどん暗い気持ちになっている」と話しています。

そして「友人や家族がすべて担えるわけではないが少しでもつながっていることが大切だと感じる。『死にたい』と思う時の小さなサインに気付いてほしい」と話していました。

専門家「相談体制拡充などの対策を」

自殺の問題に詳しい中央大学人文科学研究所の高橋聡美 客員研究員は「全体として自殺者が増えているのは勤務先の業績が悪化して仕事を失うなど新型コロナウィルスの影響も考えられる」と話しています。

特に30代以下の女性の自殺者が増えていることについては、「女性は病気などに不安を感じやすいことに加え子育てや家事などでストレスがあっても自宅にいることが多く、相談しにくい環境にあることも要因の1つではないか。また、友人と会えなかったり著名人の自殺に影響を受けたりするなど心理的な負担が増しているおそれもある」と分析しています。

そして、「国は相談体制の充実を図るとともに心理的な負担がどれほどかかっているのかを分析し対策を講じる必要がある」と指摘しています。

悩みを抱えている方へ 相談窓口の情報

「日本いのちの電話」
▽ナビダイヤル「0570-783-556」
午前10時~午後10時
▽フリーダイヤル「0120-783-556」
毎日:午後4時~午後9時
毎月10日:午前8時~翌日午前8時

また、厚生労働省は、悩みを抱えている人に対して、相談窓口の利用を呼びかけています。
厚生労働省のホームページでは、自治体などの電話相談の連絡先や、複数のNPO法人がSNS上で行っている相談窓口のQRコードなどを掲載しています。「厚生労働省 SNS」で検索できます。

厚生労働省のホームページ「まもろうよ こころ」
https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/