「内定式はWEB上で」 新型コロナで波及

「内定式はWEB上で」 新型コロナで波及
1日は多くの企業で内定式が行われます。来年春に採用を予定する企業に聞いたところ、およそ半数が内定式を行うと回答し、新型コロナウイルスの影響でWEB上で実施する動きが広がっていることが人材サービス会社の調査でわかりました。
この調査は人材サービス会社の「リクルートキャリア」が先月来年春に採用を予定する企業の人事担当者1465人に行い、このうち、675人が「すでに学生に内々定を出した」と答えました。

採用を予定する学生への対応について複数回答で聞いたところ、「メール・電話による定期連絡」が59%、「内定式」が50.8%、「集合研修」が48.4%などとなっています。
さらに内定式を行うと回答した企業に実施の方法をたずねたところ「WEB上のみで行う」が29.4%、「直接集合とWEB上の両方で行う」が21.3%となり、新型コロナウイルスの影響でWEB上で内定式を実施する動きが広がっていることがわかりました。
一方で、35.6%は「会場に直接集合して行う」と回答し、感染防止の対策を徹底したうえで学生と直接会って仕事の内容や職場の雰囲気を伝え引き止めや入社に向けた準備を進める企業も多くあります。

人材サービス会社などによりますと、新型コロナウイルスの影響でことしは内定式を実施するかどうかを企業が独自に判断するケースが多くさらに、式の内容を工夫しようという動きもみられるということです。

専門家「企業の社風や独自性が顕著に」

企業の採用活動に詳しい、コンサルタントの谷出正直さんは、「これまでのように内定式を実施したい企業は多いが、新型コロナウイルスの影響でオンラインでの実施や中止を決めたケースも出ている。内定式は内定者を集めることが一般的だったが企業の目的もそれぞれ違ってきている」と指摘しています。

そのうえで学生の就職活動について、「新型コロナウイルスの影響で先行きが不透明になり、内定を取り消されたり企業が倒産したりとなると、就職活動を改めてしないといけないと考え、複数の内定をもっている学生が増えている。希望の会社に入ることができなくなっても保険をかけている状態だ」と指摘します。

一方、内定式をめぐる企業の動きについては「学生が内定式に出席したとしても内定の辞退がないとは限らないので、企業としてはコミュニケーションをしっかりとって入社までつなげていきたいという思いは高まっていると感じる。企業はそれを達成するために内定式について工夫をしていて、企業の社風や文化などの独自性があらわれるようになってきたと思う」と話していました。