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「Go Toトラベル」「Go Toイート」どんな制度?

観光需要の喚起策「Go Toトラベル」は、1日から東京を発着する旅行が対象に加わりました。また、外食の需要を喚起して飲食店などを支援する「Go Toイート」のうち、予約サイトを通じて食事をした場合にポイントが受けられる事業も1日から始まりました。「Go Toトラベル」「Go Toイート」の制度ついて、まとめました。

「Go Toトラベル」補助の上限は1泊あたり2万円

「Go Toトラベル」は、旅行代金を1泊あたり2万円を上限に、日帰り旅行では1万円を上限に補助する制度です。

登録している宿泊施設や旅行会社に支払う旅行代金のうち、35%が割り引かれるほか、観光施設や土産物店などで使えるクーポンが旅行代金の15%分発行されます。

例えば、旅行代金が1泊4万円の場合、旅行代金の35%にあたる1万4000円が割り引かれ、クーポンは15%にあたる6000円分を利用することができます。

東京を発着する旅行商品については、旅行会社などで先月18日から割引価格を反映した形で販売が始まりました。

先月18日より以前に予約していた人が割り引きの適用を受けるには、旅行に行く前に自分で事業者側に申し出る必要があります。

観光施設などで使えるクーポンとは?

また、1日から登録している観光施設や土産物店、飲食店や交通機関でクーポンも利用できるようになりました。

クーポンの有効期間は旅行の期間中で、例えば、1泊2日の場合は宿泊する日と翌日の2日間です。

クーポンが使えるのは、宿泊する施設がある都道府県か、隣接する都道府県になります。

このうち、▽北海道では青森県も、▽沖縄県では鹿児島県も対象になり、クーポンが利用できる店舗には専用のステッカーやポスターが掲示されます。

クーポンは、▽商品券として紙で発行する形や▽スマホを利用した電子クーポンの形で1000円単位で発行され、買い物に利用した場合、お釣りはもらえません。

紙クーポン どうやって受け取れる?

旅行会社の窓口で旅行商品を購入した人は、予約完了後に旅行会社で紙のクーポンを受け取れます。

WEBで旅行商品を購入した人は、
▽紙クーポンの場合、宿泊施設にチェックインする際に受け取れます。
▽電子クーポンの場合、予約確認メールに電子クーポンサイトのURLが添付され、必要事項を入力するとクーポンを取得できます。
宿泊施設で直接、宿泊商品を購入した人は、宿泊施設にチェックインをする際に紙クーポンを受け取れます。

クーポンの発行方法や種類は、旅行会社により異なります。
予約の際に確認をしてください。

東京発着の旅行加わり 個人消費押し上げの試算も

「Go Toトラベル」の対象に東京発着の旅行が加わることの経済効果については、個人消費を7700億円押し上げるとする試算もあります。

まず、全国の人口の1割を超えるおよそ1400万の東京都民が、全国各地の観光地を訪れる効果があります。

さらに、去年、都内のホテルや旅館などに宿泊した人は、外国人旅行者を除いても延べ4963万人と、全国の宿泊者数の1割を占め、都内を訪れる人たちの増加も見込まれます。

観光客が増えれば、宿泊や観光の施設だけでなく、交通機関や飲食店の利用も増えることになります。

野村総合研究所は、GoToトラベルの対象に東京発着の旅行が加わる経済効果について、個人消費を7700億円押し上げると試算しています。

これは、事業全体で期待される個人消費の押し上げ効果、4兆3000億円の17.8%を占めるとしています。

再び感染拡大したら キャンセル料は?

仮に今後、再び感染が拡大する地域が出てきた場合、政府は、専門家の意見も踏まえてGoToトラベルの対象から外すことを検討します。

この際、旅行者が予約を取り消してもキャンセル料が発生しないよう配慮するとしています。

具体的には、事業者にキャンセル料をとらないよう呼びかけ、事業者に損害が生じる場合には「GoToトラベル」の事業費からほてんするとしています。

対象となるのは、例えば▽宿泊施設では仕入れた食材にかかった費用、▽旅行会社であれば、航空券の手配にかかる手数料などで、実際に生じた損害に相当する額をほてんするとしています。

「GoToイート」ポイント付与を全国で開始

「GoToイート」は、新型コロナウイルスの打撃を受けた飲食店や食材を提供する生産者を支援するキャンペーンで、▽オンライン予約によるポイントの付与と▽プレミアム付き食事券の発行、2つの事業があります。

このうち、予約サイトを通じて飲食店で食事をした場合にポイントを付与される事業が1日から全国で始まりました。
予約サイトは、
▽ぐるなび、
▽食べログ、
▽Yahoo!ロコ 飲食予約、
▽一休.comレストラン、
▽EPARK グルメ(19日から)、
▽EPARK、
▽HOT PEPPER グルメ、
▽favy、
▽トレタ、
▽オズモール、
▽Retty株式会社、
▽LUXA、
▽ヒトサラ、
▽Chefle(10日から)、
▽大阪グルメ、
の15のサイトが指定され、ほとんどのサイトが1日から対応します。

ポイントの付与 昼食500円分 夕食1000円分

予約をした店で実際に食事をすると、1人あたり昼食では500円分、夕食では1000円分のポイントが1週間ほどで付与され、次回、同じサイトで予約する時などに使うことができます。

1回で10人分まで予約でき、予約した人が人数分のポイントをもらえます。来年1月末まで何回でもポイントをもらうことができますが、ポイントの総額が616億円に達した時点で終了となる予定です。

また、ポイントの有効期限は最長で来年3月末までとなっていて、注意が必要です。

対象となる飲食店は感染対策を徹底することが義務づけられ、接待を伴う店などは対象から除外されています。

プレミアム付き食事券 購入額の25%が上乗せ

一方、都道府県ごとに使えるプレミアム付き食事券の事業は、これまでに33の府県で実施が決まっていましたが、1日に残る14都道県でも事業者が決まり、47都道府県すべてで実施されることになりました。

農林水産省によりますと、最も早い新潟県では10月5日から、山梨県は12日、大阪府は14日から始まり、11月までにほとんどの都道府県で始まるということです。

プレミアム付き食事券は、都道府県ごとに発行され、登録された飲食店で使えます。地域によって異なりますが、コンビニや商工会、インターネットなどで購入できます。

購入額の25%が上乗せされ、例えば1万円で1万2500円分の食事券を購入できます。

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