菅首相 拉致被害者家族と就任後初の面会「活路を開きたい」

菅首相 拉致被害者家族と就任後初の面会「活路を開きたい」
菅総理大臣は、北朝鮮による拉致被害者の家族と、就任後、初めて面会し、「みずから先頭に立って、あらゆるチャンスを逃すことなく活路を開いていきたい」と述べ、拉致問題の解決に向けて全力で取り組む決意を伝えました。
菅総理大臣は、29日午後、総理大臣官邸で、就任後、初めて拉致被害者の家族会代表の飯塚繁雄さんや、横田早紀江さんらと面会しました。

この中で、菅総理大臣は、「有本恵子さん、横田めぐみさんとの再会がかなわぬままに、有本嘉代子さん、横田滋さんがお亡くなりになり、胸が締めつけられる思いだ。いまだに多くの拉致被害者が北朝鮮に取り残されたままであり、大変申し訳なく思う」と述べました。

そのうえで、総理大臣に就任して以降、アメリカのトランプ大統領や中国の習近平国家主席などと電話会談を行い、拉致問題の解決に向けて協力を求めたことを説明しました。

そして、「すべての拉致被害者の1日も早い帰国実現に向け、みずから先頭に立って、あらゆるチャンスを逃すことなく活路を開いていきたい」と述べ、拉致問題の解決に向けて全力で取り組む決意を伝えました。
これに対し、飯塚さんは、「待っている家族もだんだん少なくなってきて、非常に苦しい思いをしているが、何か動きがあれば、『よし、もう少しだな』という気持ちになるので、ぜひそうしてほしい」と述べました。

また、横田さんは、「本当に苦しい毎日が続いている。みんなが日本の土を踏めるように主人も最後まで頑張ったが、会うことはできず、天からそれを望んでいると思う」と述べました。

家族会 飯塚繁雄代表「提案して動きが見えるような形を」

北朝鮮に拉致された被害者の家族は、菅総理大臣との面会のあと記者会見し、被害者全員の1日も早い帰国に向け、具体的な行動を求めたことを明らかにしました。

菅総理大臣と就任後初めて面会した拉致被害者の家族らは、29日午後、東京都内で記者会見を開きました。

この中で、拉致被害者の家族会代表で田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さん(82)は「これまで長い時間、北朝鮮との間で押したり引いたりの場面は見てきましたが、具体的に拉致問題が動いている姿は見ることができていません。北朝鮮の動きを待っているのではなく、こちらからどんどん提案して、動きが見えるような形を作ってほしい」と求めました。

中学1年生の時に北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの弟の拓也さん(52)は「来月5日に姉は誕生日を迎えます。母も84歳と、6月に亡くなった父とさほど変わらない年齢になるなか、母が亡くなったあとめぐみが帰って来ても真の喜びではありません。家族全員が生きているうちに日本の地で抱き合えるよう総理にはお願いしました」と話しました。

また、母親が息子との再会を果たせないまま亡くなった松木薫さんの姉の斉藤文代さん(75)は「1日も早く家族に会いたい。家族を助けていただき、普通の暮らしに戻してほしい。ただそれだけです」と訴えました。

加藤官房長官「切実な思い しっかりと受け止めた」

加藤官房長官は、29日午後の記者会見で、「菅総理大臣からは、拉致問題は最重要課題であり、すべての拉致被害者の1日も早い帰国の実現に向け、不退転の決意でみずからが先頭に立って取り組むということや、北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長と条件をつけずに向かい合い、あらゆるチャンスを逃すことなく活路を切り開いていくという決意をお話しさせていただいた」と述べました。

そのうえで、「拉致被害者の皆さんからは、『本当にもう時間がない』という思いが伝えられ、切実な思いをしっかりと受け止めた。すべての拉致被害者の1日も早い帰国に向けて取り組みたい」と述べました。