新型コロナ 国の新システム 医療機関のデータ入力は約4割

新型コロナ 国の新システム 医療機関のデータ入力は約4割
新型コロナウイルスの感染者情報を集約する国の新しいシステムで、実際にデータを入力している医療機関が、およそ4割にとどまっていることが厚生労働省の調査で分かりました。
「HER-SYS(はーしす)」は、国がことし5月以降導入を進めてきた新型コロナウイルスの感染者情報を集約するシステムで、全国の保健所や検査などを行う医療機関に導入されています。

以前は保健所が、診断をした医療機関からファックスで届け出を受けてデータを入力していましたが、「HER-SYS」では保健所の負担を軽減するため、医療機関が直接データを入力するよう国が求めてきました。

ところが、厚生労働省が先月24日から今月2日にかけてアンケートを行った結果、回答した318の医療機関のうち、データを入力していたのは41%にとどまっていたことが分かりました。

入力していない理由については「紙での届け出に不便を感じない」という声が多く、入力項目の多さや煩雑さを指摘する意見もあったということです。

また、保健所がある自治体へのアンケートでは、回答した113の自治体の60%が「ほぼすべてのデータを医療機関の代わりに入力している」と回答し、多くの保健所で負担が減っていない実態が明らかになりました。

厚生労働省は、アンケートの結果を基に28日専門家の会合を開いて、改善策を検討することにしています。

官房長官「不断に見直しが必要」

加藤官房長官は、28日午前の記者会見で、「直接、情報を電子的に入力することで、より迅速かつ効率的に、関係者が情報を共有できることを目指しているが、他方で、入力項目が多く、負担が大変重いという指摘もある。厚生労働省で関係者の意見も聴きながら、運用改善を行っていると承知しているが、より使い勝手のいいシステムに不断に見直しをしていくことが必要だ」と述べました。