アリタリア航空 乗客全員に新型コロナ検査行う特別便 試験運航

アリタリア航空 乗客全員に新型コロナ検査行う特別便 試験運航
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イタリアのアリタリア航空は乗客全員に新型コロナウイルスの検査を行う特別な便の運航を今月から試験的に始めました。
イタリアのアリタリア航空は需要が落ち込む空の便の利用客を増やそうと、州政府や空港と協力して乗客全員に新型コロナウイルスの検査を行い、陰性となった人だけを乗せる特別な便の運航を今月中旬から試験的に始めました。

対象は首都ローマから北部のミラノへ向かう便のうち毎日2便です。

この便を予約した乗客は空港で搭乗手続きをする前に短時間で感染しているかを調べる抗原検査を受けられるほか、事前にPCR検査などを受けることもでき、いずれも無料だということです。

検査で陽性になった場合は、その便には乗ることができませんが、後日ほかの便を利用できるということです。

乗客の1人は「よいことです。感染するリスクが少ないと知って空の旅をよりくつろげます」と話していました。

試験的な運航に協力している空港の運営会社のトロンコーネCEOは「アメリカやほかのヨーロッパの航空会社とも協議をしている。新しい試みを増やしていきたい」と話していて、今後、新たな感染対策として広がるのか注目されます。

IATA 乗客全員の検査実施を訴え

新型コロナウイルスで打撃を受ける航空業界では、自由な移動の再開を求める声が強まっています。

世界のおよそ290の航空会社が加盟するIATA=国際航空運送協会は22日、声明を発表し、航空業界がすでに失った収益は4000億ドル、日本円にしておよそ42兆円を超えるとしています。

そして各国政府が行っている旅行者に対する到着後の隔離措置が、移動を非現実的にしていると指摘し「国境を越えた移動の自由を回復する鍵は出発前にすべての旅行者に対して新型コロナウイルスの体系的な検査を行うことだ」と述べ、乗客全員の検査を実施することで到着後の隔離措置をなくし、自由な移動の再開を促すよう訴えています。