韓国 新型コロナ ソウル市が教会を提訴 予防策守らず感染拡大

韓国 新型コロナ ソウル市が教会を提訴 予防策守らず感染拡大
韓国のソウル市は18日、新型コロナウイルスの予防策を守らずに感染を拡大させ、行政に損害を与えたとして、市内にあるキリスト教の教会と牧師に対し、日本円で4億円余りの損害賠償を求める訴えを起こしました。
韓国の首都ソウルにあるキリスト教の「サラン第一教会」では、屋内に大勢の信者を集めて礼拝を続けるなどした結果、先月中旬、新型コロナウイルスの集団感染が発生しました。

さらに、教会を率いるチョン・グァンフン牧師をはじめ関係者たちが、当局が求めた自己隔離に応じず、ソウル中心部で開かれた保守派の反政府集会に参加するなどして、首都圏での感染拡大を招いたと、批判されていました。

ソウル市は18日、予防策を守らずに感染を拡大させ行政に損害を与えたとして、「サラン第一教会」とチョン牧師に対し、46億2000万ウォン、日本円で4億円余りの損害賠償を求める訴えを、ソウルの地方裁判所に起こしました。

記者会見したソウル市によりますと、この教会に関連する感染者は641人に上っていて、感染拡大によって、市内の路線バスの利用者数が落ち込んだほか、感染者の受け入れ施設の運営費など市の負担が増加したとしています。

「サラン第一教会」をめぐっては、PCR検査の対象となる関係者の名簿の一部を隠蔽したなどとして、韓国政府とソウル市が警察に告発しており、感染予防を妨げる行為に対しては、国と地方自治体が連携して厳しく臨む姿勢を示しています。