関西電力 40年超の原発の対策工事 国内初の完了 福井県に報告

関西電力 40年超の原発の対策工事 国内初の完了 福井県に報告
関西電力は原則40年に制限されている、原子力発電所の運転を延長する対策工事を、福井県にある2基の原発で、国内では初めて完了し、県に報告しました。
関西電力は来年に再稼働する計画を示していますが、福井県は不祥事が続いた会社の信頼回復が最優先で、直ちに再稼働の議論はできないとの考えを示しました。

関西電力原子力事業本部の水田仁本部長代理はき18日、福井県庁を訪れ、高浜原発1号機と美浜原発3号機で、40年を超える運転にむけた対策工事が18日、完了したと報告しました。

これに対し、県の野路博之安全環境部長は「工事は一区切りついたものの、関西電力の信頼が損なわれている現状で、直ちに再稼働の議論を進められる状況ではない」と述べ、再稼働の議論よりも旧経営幹部らによる多額の金品受領問題などで失われた、信頼回復が最優先だとする考えを示しました。

40年を超える運転に向けた対策工事が完了した原発は全国で初めてです。

関西電力は美浜原発3号機で来年1月、高浜原発1号機で来年3月に再稼働する計画を示していますが、地元自治体の同意などの手続きが今後必要で、再稼働が計画どおり進むかどうかは、関西電力の信頼回復の取り組みがポイントになります。

安全性への課題は

原則40年に制限されている運転期間を超えて原子力発電所を動かすには再稼働の前提となる規制基準に適合するだけでなく、これまでの運転で原子炉や格納容器の部材がどの程度劣化しているのか特別な点検を行うことや運転を延長する期間中も耐震性などが十分確保されるのか評価をすること、それに長期的な保守管理の方針を定めるなどしたうえで原子力規制委員会の審査を受けて認可を得る必要があります。

関西電力によりますと、40年を超える運転に向けた安全対策工事が完了した高浜原発1号機と美浜原発3号機では、過去に高経年化への対策として配管や蒸気発生器などを取り替えていて、今回の運転延長に関わる規制委員会の審査で問題は指摘されなかったということです。

一方で、原子炉容器の大部分は取り替えができないため、関西電力は放射線の影響で材料の金属がもろくならないか定期的にサンプル調査を行い、延長する期間の安全性を確保するとしています。

原子力に関する政策提言などを行ってきたNPO法人、原子力資料情報室の山口幸夫共同代表は「40年を超えて運転する原発は国内では例がなく、これまでの知見や評価が本当に正しいのか十分な検証はできていないと感じている。事業者がどこまで厳しく安全性をチェックできるのか不安が残る」と述べ、国に対し40年を超えて運転する原発は通常よりも厳しく監視する必要があると指摘しています。

また、原発の廃炉に詳しい福井大学国際原子力工学研究所の柳原敏特命教授は「最長60年運転をすれば放射性廃棄物が増え続けることになるので処理方法を考える必要がある。また、美浜原発3号機が再稼働した場合には、同じ敷地内で1号機と2号機の廃炉作業が行われているので作業が複雑になることが予想され、関西電力がどのようにマネジメントするかが課題になってくる」と述べ、長期間の運転による放射性廃棄物の増加と同じ敷地内で進む廃炉作業に影響をしないような対応が必要だと指摘しています。