コロナで在宅勤務 欠勤扱いや最低評価に 教諭が大阪市を訴える

コロナで在宅勤務 欠勤扱いや最低評価に 教諭が大阪市を訴える
ことし3月に海外から帰国した大阪市立の中学校の教諭が、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためおよそ2週間自主的に在宅勤務をしたところ、欠勤扱いにされたうえ、人事評価も最低にされたとして、大阪市に賠償などを求める訴えを起こしました。
訴えを起こしたのは、大阪市立の中学校教諭、松田幹雄さん(64)です。

訴えなどによりますと、ことし3月17日に松田さんは労働組合の活動で訪れていたスイスから帰国しました。

この日、海外での急速な感染拡大を受けて政府の専門家会議が記者会見を開き、ヨーロッパなどからの帰国者に2週間の自宅待機などを求めたことから、松田さんは学校と相談して3月末まで在宅勤務をしたということです。

しかし、学校が市教育委員会と協議した結果、自宅での業務は認められないとして欠勤扱いにされ、人事評価も最低にされたということです。

松田さんは、ことし2月に国が各地の教育委員会などに対し、感染症がまん延するおそれがある場合は教員の在宅勤務を推奨するよう伝えているのに、柔軟性を欠いた不当な対応だと主張して、欠勤にされた分の賃金や賠償など113万円の支払いを求めています。

松田さんは会見を開き、「もし私が感染していたら出勤命令は明らかに間違っていた。裁判を通して間違った対応を是正し、今後の感染症対策をしっかりしてほしい」と話していました。

一方、大阪市教育委員会は、3月21日以降、帰国した教員には2週間の特別休暇の制度を設けていて、「松田さんが帰国した3月17日の時点では帰国者の自宅待機は制度化されておらず、休日勤務や時差出勤などを提案したが断られ、欠勤とせざるをえなかった」と話しています。