首都直下地震に備える

首都直下地震に備える
9月1日は「防災の日」。大正12年のこの日、関東大震災が起きました。そこで今回は「首都直下地震」について考えていきます。

首都直下地震とは

首都直下地震は、今後30年以内に70%の確率で発生すると予測されているマグニチュード7クラスの大地震です。被害は最大で、全壊、または焼失する建物が61万棟、死者はおよそ2万3000人と想定されています。
専門家などでつくる国の検討会によりますと、震源は都心南部直下や川崎市直下、千葉市直下などが指摘されています。
この首都直下地震への対策が入試問題になっています。

問題に挑戦!

東京都は、首都直下地震発生の可能性が指摘されていることをふまえ、防災対策をすすめています。その防災対策として誤りを含むものを、ア~オの中から1つ選び、記号で答えなさい。

ア、木造住宅が密集する地域で、建て替えなどによる不燃化を進めることで出火・延焼を抑制する。
イ、救急活動や物資輸送の中心となる道路を整備し、無電柱化により災害時も道路機能を確保する。
ウ、コージェネレーションシステムや太陽光発電など、災害時も使用できる電源導入を促進する。
エ、長周期地震動の発生による建物の倒壊を防ぐため、高層ビルの新規建設を制限する。
オ、一般市民の自助・共助の意識を向上させるため、防災訓練や救命講習を強化する。
(暁星中学校 2019年)
1つずつ見ていきましょう。

進む防災対策

まず、選択肢アは正しいです。阪神・淡路大震災では火災で7000棟余りが焼失しました。これを機に、住宅の火災対策が強化されました。特に木造住宅が密集する地域は道幅が狭く、消防車が入れない場所もあるからです。東京でも建て替え費用の助成など対策が進められています。

選択肢イも正しいです。道路が通行できなくては、救急活動や物資の輸送に支障が出ます。このため、電柱が倒れて道路がふさがれないように、無電柱化の取り組みが進められています。

選択肢ウも正しいです。コージェネレーションというのはガスやバイオマスなどを使って電気を作り、発電時に出る熱を給湯や暖房に利用するというもの。災害時に自立して電源を確保できる設備として導入が進められています。
選択肢エは、高層ビルの新規建設についてですが、これが誤りです(入試問題の解答は「エ」)。東京・渋谷でも新しいビルが増えているように、建設が制限されてはいません。高層ビルも建築基準法の耐震基準などを守って建設されています。

選択肢オの防災訓練や救命講習は各地で行われています。訓練に参加して、いざというときに備えましょう。

首都直下地震と同時多発火災

首都直下地震の怖さは、同時多発的に火災が発生すると想定されていることです。
被害想定が最大の場合、死者およそ2万3000人のうち、7割にあたるおよそ1万6000人は火災によるものとされています。都市部を襲う火災のリスクと対策について、都市防災が専門の東京都立大学名誉教授、中林一樹さんに聞きました。中林さんがまず強調したのは、電気が火災を引き起こすリスク。阪神・淡路大震災では、出火原因がわかった火災のうち、電気機器に関連するものが6割にのぼったといいます。
中林さん
「原因は何かというと、電気なんですね。特に揺れが大きければ家が壊れて、家の中の配線がショートして火災になります。コードが差し込んでありますが、例えば家具が倒れたり、家電製品自体が移動したりして引きちぎられるような形になって、そういう時にショートして、それが綿ぼこりなんかが近くにあれば着火して、それで火災が起きてしまうんです」
家具を固定するのは、転倒して下敷きになるのを防ぐためだけでなく、火災を予防するためにも大切なことなのです。

避難の判断は素早く

さらに中林さんはいち早い避難が大切だといいます。では、避難のタイミングはどう判断したらよいのでしょうか。
中林さん
「きょうは風がある、というくらいの状況であれば、『火を見ずして避難』。まだ遠くに煙が上がっているぐらいの状況でも、避難する準備をして早めに避難してください。(同時多発すれば)どこかの火元の隣にも火元がありますから、風上も風下もないんです。すべてが風上ですべてが風下になります。避難場所までの道が火災でふさがれてしまう前に避難場所まで到達してください」
中林さんによると、揺れを感知して自動的に電気を止める「感震ブレーカー」の設置も有効だそうです。そして何より大事なのは、事前の備えを含めた「自助」だといいます。
中林さん
「自分でやらないと、自分の代わりに誰かがやってくれる問題ではないんです。それを原則にして、日頃から備えていただくことが大事だと思います」
いつ起きてもおかしくないと言われる、首都直下地震。地震の備えを改めて確認しましょう。
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