東京23区内の酒提供の飲食店 営業時間短縮の要請 15日で終了

東京23区内の酒提供の飲食店 営業時間短縮の要請 15日で終了
東京都は23区内の酒を提供する飲食店などに対する午後10時までの営業時間短縮の要請を15日で終了します。
都は、会食での感染が引き続き確認されていることから、16日以降も長時間の飲食や飲酒などには気をつけてほしいと呼びかけています。
東京都は、23区内の酒を提供する飲食店と、すべてのカラオケ店に対する午後10時までの営業時間短縮の要請について、新たな感染の確認が減少するなど一定の抑制効果があったとして、15日で終了します。

ただ、都によりますと、会食を通じて感染する人が引き続き確認されているということで、都は要請がなくなる16日以降も長時間の飲食や飲酒のほか、大声や至近距離で話すことには気をつけてほしいと呼びかけています。

また、都は今月1日から15日までの営業時間短縮の要請に全面的に応じた中小の事業者には15万円の協力金を支給することにしていて、来月1日に要項を公表したうえで、来月30日まで申請を受け付けるということです。

都内の7日間平均感染者は

東京都が酒を提供する飲食店などに対する営業時間短縮の要請について、23区内では延長することを決めた先月27日、都内の新たな感染の確認は、前日の26日までの7日間の平均で225.4人でした。

その2週間後の今月10日、都は要請を終了することを決めましたが、前日の9日までの7日間の平均で148.6人でした。

しかし、要請の終了を決めた10日に276人、12日に226人と、新たな感染の確認が200人を超える日もあり、14日までの7日間の平均では176.3人となりました。

都の担当者は「増加傾向にあるのか一時的なものなのかなど、今週の動向を見て把握していく必要がある。減少のペースは緩やかになっていると感じており、感染防止対策に取り組んでいかないと増加する可能性があるので気をつけてほしい」と話しています。

小池知事「協力に感謝」

東京都の小池知事は都庁で記者団に対し「協力いただいた事業者や利用者に感謝申し上げる。陽性者はここのところ高止まりで、有識者や専門家からは『再拡大への警戒が必要だ』という指摘があるので、引き続き協力をお願いしたい」と述べました。

そのうえで「長時間の飲食や飲酒を避けて、大声で飛まつが出るような至近距離での会話を控えてほしい。気心の知れた人どうしの会食はかえって危ないという指摘もある」と述べ、引き続き感染予防策を徹底してほしいと呼びかけました。

また、15日都内で新たに191人の感染が確認されたことについて、小池知事は「2週間前の行動の結果だ。新型コロナウイルスとインフルエンザが重なる時期に入る前に、しっかりした対策の徹底に協力いただきたい」と述べました。

感染防止を徹底 イタリア料理店

東京千代田区で、区から感染防止策の認証を受けている飲食店に、会食の際の感染を防ぐための工夫を取材しました。

千代田区のイタリア料理店「トラットリアレモン」は、保健所の担当者などが現地で感染防止策を審査する区の独自の制度に申請し、十分な対策が行われている店として認証を受けています。

基本的な対策として手指消毒のアルコールの設置のほか、客がマスクをテーブルに直接置くのを防ぐため、専用のビニール袋を提供したり、飛まつが相手に届かないようテーブルにアクリル板を用意しています。

そのうえで客が対面で座らないよう従業員が促したり、食事を提供する際、これまでは大皿に載せていた料理をあらかじめ客の人数分の小皿に取り分けたりするほか、店内の音楽の音量を下げて客の会話が大声にならないようにするなどさまざまな取り組みを進めていました。

また従業員側の対策として、注文を取る際は客と十分な距離を確保し対面の会話を避けるほか、会計で現金に触れた従業員はせっけんでの手洗いとアルコール消毒を欠かさず行ったうえでホール業務に戻るようにするなど徹底した対策を進めています。

フロアマネージャーの中川由美さんは「アルコールが入ると大声の会話になったり、食事後にマスクをつけないまま会話が弾んでしまうケースがみられるので、引き続きお客様の安心安全を第一に考えて、厳しすぎるほどの感染対策を行って今後も営業していきたいです」と話しています。