ベネチア国際映画祭 黒沢清監督が監督賞 「スパイの妻」で

ベネチア国際映画祭 黒沢清監督が監督賞 「スパイの妻」で
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世界3大映画祭の1つ、イタリアのベネチア国際映画祭で日本の黒沢清監督が「スパイの妻」で監督賞に選ばれました。日本の監督の受賞は、2003年の北野武監督以来、17年ぶりです。
ことしで77回目を迎えるイタリアのベネチア国際映画祭では、最高賞の金獅子賞を競うコンペティション部門に世界各国から18の作品がノミネートされ、このうち日本からは黒沢清監督の「スパイの妻」が出品されました。

映画祭の最終日となる12日、各賞の発表が行われ、黒沢監督が監督賞に選ばれました。

授賞式の会場では、黒沢監督のビデオメッセージが流され、「この年齢になってこんなに喜ばしいプレゼントを頂けるとは夢にも思っていませんでした。ほんとに長い間、映画を続けてきてよかったなとしみじみ感じています」と喜びを語っていました。

「スパイの妻」は、太平洋戦争の直前に国家機密を偶然知ってしまい、正義のために世間に公表しようと暗躍する男性と、その妻の物語です。

授賞式のあとの記者会見で、審査員長を務めたハリウッド俳優のケイト・ブランシェットさんは「すばらしい監督による映画はいくつもあり難しい決断だったが、最終的にはこの作品が監督賞だということは明らかだった」と述べて、評価しました。

日本の監督がベネチア国際映画祭で監督賞を受賞するのは2003年に北野武監督が映画「座頭市」で受賞して以来、17年ぶりとなります。

黒沢清監督とは

黒沢清監督は兵庫県出身の65歳。大学時代から8ミリ映画を撮り始め、1997年、俳優の役所広司さんが主演を務めた「CURE」で注目を集めます。

世界3大映画祭の1つ、フランスのカンヌ映画祭では、2001年に「回路」が国際批評家連盟賞を受賞したほか、2008年には「トウキョウソナタ」で「ある視点部門」の審査員賞を、さらに2015年には「岸辺の旅」で同じく「ある視点部門」の監督賞を受賞しています。

現代社会に生きる人たちの不安などを描き、映画界の巨匠、黒澤明監督にちなんで「もう一人のクロサワ」とも称されて国際的に高く評価されています。

「スパイの妻」とは

映画「スパイの妻」は、太平洋戦争直前に国家機密を偶然知ってしまい、反逆者と疑われた男性の妻が主人公です。

夫とともに時代の荒波にのまれていく女性を蒼井優さんが、正義のために機密を世間に公表しようと暗躍する男性を高橋一生さんが演じます。

現代を舞台にこれまで多くの作品を手がけてきた黒沢監督ですが、「スパイの妻」では初めて戦時中の日本を舞台に映画を製作しました。

「スパイの妻」は、ことし6月にNHKのBS8Kで放送され、来月16日から全国の映画館で上映される予定です。