福島第一原発の廃炉状況 地元住民に説明の視察会が再開

福島第一原発の廃炉状況 地元住民に説明の視察会が再開
新型コロナウイルスの影響で中断されていた、福島第一原子力発電所の廃炉の状況を地元住民に説明する視察会が、12日再開されました。
これは、福島第一原発の周辺住民を対象に国と東京電力が去年から始めたもので、新型コロナウイルスの感染拡大で、ことし2月を最後に中断されていました。

12日は福島県内に住む住民19人が参加し、原発構内をバスで視察して、東京電力の担当者から廃炉の現状について説明を受けていました。

このうち汚染水を処理したあとに残るトリチウムなどを含む水は毎日増え続けていて、今の計画では再来年の夏には敷地内のタンクが満杯になる見通しで、現在、処分をめぐり国が検討を進めています。

また、使用済み燃料プールに残る核燃料の取り出しは、4号機はすでに終了し、3号機は去年開始しましたが、1号機と2号機はまだ取り出しの準備段階で、当初の計画に比べて遅れが出ています。

原子炉の核燃料が溶け落ちた「燃料デブリ」の取り出しは、まずは2号機で来年から始まる予定ですが、最初の量は数グラム程度で、その後の取り出しが順調に進むか現時点では見通せていません。

住民は途中、敷地を見渡せる高台でバスから降り、倒壊のリスクを下げるため高さ120メートルの排気筒を半分に切断する作業がことし5月に完了したことや、3号機にかまぼこ型のカバーが設置され、使用済み核燃料プールから取り出しが行われていることなど、説明を受けていました。

そのあと開かれた座談会では、トリチウムなどを含んだ水の処分について多くの意見や質問が出され、「廃炉は10年や20年で終わる話ではない。納得する形で白黒つけるべきだ」とか「風評払拭(ふっしょく)につながる努力をしてほしい」といった声が上がっていました。

このほか、最長40年かかるとされる廃炉作業については、「子どもたちの世代に向けた道しるべを示し、前に進めてほしい」などの意見が出されていました。

東京電力と国は、住民の視察会は今後も継続するとしています。