福島第一原発 国と東電「廃炉には放射性物質含む水処分必要」

福島第一原発 国と東電「廃炉には放射性物質含む水処分必要」
東京電力福島第一原子力発電所で増え続けるトリチウムなどの放射性物質を含む水の処分をめぐっては、事故の発生から9年半たった今も議論が続いています。
国と東京電力の担当者は「廃炉を進めていくためには、タンク内の水を処分して新たな施設の敷地に充てていく必要がある」とする考えを改めて示しました。
福島第一原発では、雨水や地下水が原子炉建屋などの地下に流れ込んで汚染水が発生していて、これを処理したあとに残るトリチウムなどの放射性物質を含む水が増え続けています。

現在、およそ1050基のタンクに123万トンがためられ、11日もタンクの増設工事が進められていました。

東京電力は、建物にカバーを設置するなど汚染水の発生を防ぐ対策を進めていますが、今も1日180トンのペースで増え続け、現在の計画では2022年夏ごろには、すべてのタンクが満杯になるとしています。

東京電力の担当者は「今後1基もタンクを作れないわけではないが、廃炉を進めていくためにはタンク内の水を処分して、今後必要になる使用済み燃料や核燃料デブリの一時保管施設などの敷地に充てていく必要がある」と話していました。

トリチウムなどを含む水の処分をめぐっては、ことし2月、国の小委員会が基準以下に薄めて、海か大気中に放出する方法が現実的だとする報告書をまとめていますが、地元の漁業者からは、もし海に放出されれば新たな風評被害につながるなどとして、容認できないという声が上がっています。

政府は、地元や関係団体などから引き続き、意見を聞いたうえで方針を決定するとしています。

経済産業省の木野正登廃炉・汚染水対策官は「長期保管を求める声もあるが、処理水を保管すること自体が風評を招くおそれがあると考える地元住民の声もあり、廃炉を進めていくためには、処理水はいずれ処分しないといけない」と話していました。