吉永小百合さん コロナ感染続く中で撮影 新作映画への思いは

吉永小百合さん コロナ感染続く中で撮影 新作映画への思いは
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、新作映画の主役として医師の役を演じる俳優の吉永小百合さんが11日、撮影所で記者会見し、撮影に臨む心境について「コロナ禍の前からの企画でどうすべきか悩んだが、命の大切さを正面から描くことができたらいい」と語りました。
吉永小百合さんは、終末期医療や老老介護などをテーマにした新作映画「いのちの停車場」の主役として診療所の医師の役を初めて演じることになり、今月4日から東京の撮影所で撮影に臨んでいます。

11日、成島出監督と5人の出演者が撮影所で記者会見を行い、この中で吉永さんは「コロナ禍になる前から企画があり、どうすべきか監督と悩みましたが、映画のテーマである命の大切さや、どう生きるべきかを正面から描くことができたらいいと思います」と今の心境を語りました。

また、吉永さんが演じる医師に憧れる医大卒業生を演じる松坂桃李さんは「コロナ禍の期間、考える時間が増える中で、作品に出てくる『命のしまい方』ということばが自分の中に入ってきました。帯を締めて作品に臨みたい」と、感染拡大が続く中、診療所を舞台にした映画を作る意気込みを語りました。

日本映画製作者連盟によりますと、国内の映画の撮影は緊急事態宣言が出されていた4月から5月にかけてすべて中断し、6月以降徐々に再開し始めているということです。

映画「いのちの停車場」は来月にかけて撮影が行われ、来年、公開される予定です。

東映社長 伊勢谷容疑者出演シーンはカットせず

「いのちの停車場」は、自宅で大麻を所持したとして逮捕された俳優の伊勢谷友介容疑者が患者の役で出演していて、すでに出演シーンの撮影を終えています。

これについて、映画を製作する東映の手塚治社長は会見で、伊勢谷容疑者が出演するシーンはカットせずに映画を公開する考えを明らかにしました。

手塚社長は「映画は観客が意図を持って有料で見に来るもので、テレビやCMとは異なる。作品と個人は別だと考え、今回は作品を守るという判断をした」と説明しました。

また、吉永小百合さんは「伊勢谷さんとはお互いの思いをぶつけていいシーンが撮れたと思い、報道を聞いて残念に思いました。事実については分からないところもありますが、なんとか乗り越えて撮影の現場に帰ってきてほしい」と話していました。