大相撲 玉ノ井部屋で新たに18人 新型コロナ集団で感染

大相撲 玉ノ井部屋で新たに18人 新型コロナ集団で感染
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東京 足立区にある大相撲の玉ノ井部屋で、十両の富士東など力士合わせて18人が新型コロナウイルスに集団で感染していることが新たにわかりました。
この部屋の感染者は、合わせて19人となりました。
日本相撲協会の発表によりますと東京 足立区にある玉ノ井部屋では、今月5日に幕下以下の力士1人の感染が明らかになり、10日までに部屋の関係者合わせて32人が検査を受けたところ、十両の富士東と幕下以下の力士の合わせて18人が新たに陽性と判定されたということです。

この部屋での感染者は合わせて19人となり、このうち12人が医療機関に入院していていずれも軽症だということです。
残りの7人は症状がなく、現在、部屋の中で隔離されているということです。

また足立区は、玉ノ井部屋での感染について感染者の集団=クラスターが発生したと発表しました。
足立区によりますと感染した19人のうち6人に発熱や頭痛、嗅覚障害などの症状が出ていて詳しい感染経路については、調査中だということです。

玉ノ井部屋は、元大関 栃東の玉ノ井親方が師匠を務め、相撲協会のホームページによりますと力士28人など合わせて34人の協会員が所属しています。

玉ノ井部屋では、力士全員が今月13日に初日を迎える秋場所を休場することになりました。

日本相撲協会は、秋場所を予定どおり開催する方針で「今後も感染防止策をより一層徹底して実施し、感染拡大防止に努めます。ほかの部屋の力士は、体調管理を万全に行い本場所に備えます」とコメントしています。

10人以上の集団感染は初

大相撲では、新型コロナウイルスの感染拡大以降、力士などが感染した例がありましたが、同じ部屋で10人以上の集団感染が明らかになったのは、今回が初めてです。

ことし4月には、元関脇・安芸乃島の高田川親方と力士、合わせて7人の感染が分かり、5月13日には高田川部屋に所属していた三段目の勝武士が新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全で、28歳で亡くなりました。

新型コロナウイルスに感染した力士が亡くなったのは、初めてでした。

日本相撲協会では、専門家のアドバイスを受けて感染防止対策などをまとめたガイドラインを作り、先場所の7月場所では、会場の国技館の収容人数の4分の1程度、およそ2500人の観客を入れて開催していて、場所中の協会員の感染者はいませんでした。

しかし8月は、親方1人と力士1人が感染したほか、玉ノ井部屋では10日までに19人の感染が分かりました。

同じ部屋で10人以上の感染者が出たのは、今回が初めてです。

相撲協会は、不要不急の外出の禁止や出稽古の禁止など、ガイドラインに沿って感染防止対策を取ってきましたが、感染拡大を防ぐことはできず、力士や親方が集団生活をする相撲部屋での感染リスクが改めて浮き彫りになりました。

日本相撲協会の芝田山広報部長「秋場所の開催 問題ない」

日本相撲協会の芝田山広報部長は「1つの部屋で封鎖をしっかりしているので、秋場所の開催には全く問題ない。相撲部屋と国技館での対策はしっかりしている」と話し、今月13日からの秋場所について予定どおり開催する考えを示しました。

また玉ノ井部屋のすべての力士を秋場所の千秋楽まで休場させることについては、「完全にその部屋の中で封鎖する形を取るしかない」と説明したうえで、今後の番付上の救済措置などについて「感染したことが悪いことではないので、何らかの対策は取らないといけない。審判部が場所後の番付編成会議で決めることだ」と述べました。