ロシア 新型コロナのワクチン 最終段階の臨床試験を開始

ロシア 新型コロナのワクチン 最終段階の臨床試験を開始
ロシアは、新型コロナウイルスのワクチン開発で、最終段階の臨床試験を始めたと発表し、ことし11月以降、医療従事者などへの集団接種を行うとしています。
ロシアでは、国立ガマレヤ疫学・微生物学研究所が、新型コロナウイルスのワクチン開発を進めていて、ロシア保健省は9日、3段階のうち最終段階の臨床試験が、モスクワの医療機関で始まったと発表しました。

臨床試験は、希望する4万人を対象に行われ、半年にわたって経過を観察するということです。

このワクチンは、1957年に旧ソビエトが世界で初めて打ち上げた人工衛星の名前にちなんで「スプートニクV」と名付けられ、ロシア政府は先月上旬、第2段階の臨床試験しか終わっていない時点で承認しました。

開発に携わっているロシアの関係者からは、アメリカに先駆けて開発に成功したと誇示する発言も出ていて、ロシアのワクチン開発は政治的だとして国内外で安全性や有効性を疑問視する見方があります。

こうした中、ロシアの研究グループは今月、イギリスの医学雑誌「ランセット」で、初期段階の臨床試験の結果として健康への深刻な影響は見られなかったなどと報告していて、ロシア政府はことし11月以降、医療従事者などへの集団接種を行うとしています。