茂木外相 ワクチン開発のASEAN基金に100万ドル拠出を表明

茂木外相 ワクチン開発のASEAN基金に100万ドル拠出を表明
ASEAN=東南アジア諸国連合の加盟国と日中韓3か国の外相によるテレビ会議が行われ、茂木外務大臣は、新型コロナウイルスのワクチン開発などを目的としてASEANが設置した基金に、日本から100万ドルを拠出する意向を表明しました。
ASEAN=東南アジア諸国連合に加盟する10か国と日中韓3か国の外相によるテレビ会議は、日本時間の午後6時前からおよそ1時間半行われました。

この中で、茂木外務大臣は「新型コロナウイルスに対するASEANの対応能力の強化に貢献したい」と述べたうえで、ASEANがワクチン開発などを目的として設置した基金に、日本から100万ドルを拠出する意向を表明しました。

また、茂木大臣は地域の感染症対応能力の強化に向けた「ASEAN感染症対策センター」の設立を全面的に支援する考えを示し、今後も医療物資などの供与や地域の経済再生を目的とした円借款を通じ、ASEAN諸国への支援を継続する考えを伝えました。

一方、茂木大臣は、東京電力福島第一原子力発電所の事故のあと、日本産食品の輸入規制を続けている中国や韓国などを念頭に「日本産食品の安全性は科学的な根拠により確保されている」と述べ、速やかな規制の撤廃を求めました。

幅広く有意義な議論できた

茂木外務大臣は9日夜9時ごろ外務省で記者団に対し「政治、安全保障、経済、さらには新型コロナウイルス対策や人の往来の問題など、幅広く、有意義な議論を行うことができた。今後も各国と協力しながら、地域の平和や安全、繁栄、とりわけ自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて取り組んでいきたい」と述べました。

また、中国が海洋進出を強める南シナ海の問題について「これまでにASEAN各国と2国間でも議論を深めてきており、共通認識はできあがっていると思う。中国に対しても、王毅外相には率直に日本の立場や懸念を伝え、前向きな対応を求めてきた。そういったことはこれからも引き続き行っていきたい」と述べました。