自民党総裁選 公開討論会 子育て支援や財政再建などで論戦

自民党総裁選 公開討論会 子育て支援や財政再建などで論戦
安倍総理大臣の後任を選ぶ自民党総裁選挙は9日午後、党の青年局と女性局が主催する公開討論会が開かれ、石破元幹事長、菅官房長官、岸田政務調査会長の3人が、子育て支援や財政再建などをめぐって論戦を交わしました。

子育て支援や女性の活躍推進について

▽石破氏は「日本は、シングルマザーの所得や男性の家事の分担率が先進国の中で最低水準であり、これを変えないとどうにもならない。不妊治療をしている女性は、大変な痛みと経済的な負担に耐えている。女性が何に困り、どういう法律や予算が必要かリスト化し実行することに力を尽くす」と述べました。

▽菅氏は「女性が健康に活躍でき、安心して子どもを産み育てられる環境を整備することが最優先だ。各企業に女性の採用や登用などで数値目標を作らせる必要がある。さらに出産を希望する世帯を広く支援するために、不妊治療の公的医療保険の適用を実現したい」と述べました。

▽岸田氏は「乳がんや子宮がんの検診だけでなく、出産費用も思い切って支援し、実質負担をゼロにするなど予算的な後押しが必要だ。少子化対策の環境が整わない中、都市部への人口の密集はマイナスの副作用もあり、まちづくりの観点からも少子化を考えないといけない」と述べました。

財政再建について

▽石破氏は「財政がこれ以上悪くなっても、ハイパーインフレが起こるとは思っていない。潜在成長率を最大限に引き出して経済を成長させることと、社会保障を変えていくことの、2つを合わせてやらなければならない。次の時代に過大な負担を残すべきではない」と述べました。

▽菅氏は「安倍政権では『経済成長なくして財政再建なし』と言ってきたが、この思いは変わらない。経済あっての財政であり、まずは経済再生が大事だ。コロナ禍では、持続化給付金や無利子無担保の融資などで雇用を守り、倒産を防ぐことに力を注いだうえで、景気を回復させたい」と述べました。

▽岸田氏は「世界が新型コロナウイルスとの闘いに臨んでおり、日本も必要に応じて思い切った財政出動を行わなければならないが、世界が次の段階を迎えた時には、財政健全化の方向性や意思を示していかなければ信用そのものに関わってしまう。少し長い目で考えなければならない」と述べました。

北朝鮮による拉致問題について

▽石破氏は「生命と財産の問題であると同時に、国家主権の侵害だと捉えて全国的に取り組んでいかなければならない。連絡事務所をピョンヤン(平壌)と東京に設け、表舞台できちんと話をすべきだ」と述べました。

▽菅氏は「横田滋さんが亡くなり、娘のめぐみさんに会わせることができず申し訳ない思いでいっぱいだ。何としても解決しなければならず、条件をつけずに、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長と、直接向き合う覚悟で臨まなければならない」と述べました。

▽岸田氏は「朝鮮半島の状況も刻々と変化しているし、時間との戦いだ。トップ会談も辞さない思いで、しっかりと現状を注視し、チャンスをものにしたい」と述べました。

衆院選比例代表の候補者を原則73歳未満とするルールについて

党のベテラン議員らが見直しを求めている、衆議院選挙の比例代表の候補者を原則73歳未満とする党のルールについて、

▽石破氏は「定年制もひとつの考え方だが、若い世代には分からないこともあり、高齢者の意見もきちんと生かしていきながら、『シルバー民主主義』にならないよう、互いの意識と制度の両立を図っていきたい」と述べました。

▽菅氏は「私は派閥の解消や世襲の制限など、党所属の国会議員の世代などを多様化すべきだと訴えてきた。比例代表の定年制はいいことだ」と述べ、見直す必要はないという考えを示しました。

▽岸田氏は「小選挙区はすべての年齢にオープンだが、比例代表は、選挙に弱い若手や多様な人材にチャンスを与える意味がある制度だと思うので、定年制を維持する考え方には賛成だ」と述べました。

菅氏 自身の妻についての質問に…

また、菅氏は、自身の妻について質問されたのに対し、「総裁選挙に立候補するにあたり、支援をとりつけるのにいちばん苦労したのは家内だ」と述べ、会場から笑いが起きました。