IR汚職事件 秋元司衆議院議員を再逮捕 買収工作主導した疑い

IR汚職事件 秋元司衆議院議員を再逮捕 買収工作主導した疑い
IR・統合型リゾート施設の汚職事件をめぐる証人買収事件で、秋元司衆議院議員が、経営コンサルタント会社の代表らを通じて別のルートでも贈賄側に偽証を働きかけ現金500万円を渡そうとしたなどとして、組織犯罪処罰法違反の疑いで東京地検特捜部に再逮捕されました。特捜部は、いずれのルートも秋元議員が買収工作を主導した疑いがあるとみて、全容解明を進めるものとみられます。
再逮捕されたのは衆議院議員の秋元司容疑者(48)です。

東京地検特捜部などによりますと、秋元議員は知人でコンサルタント会社代表の松浦大助容疑者(51)らと共謀し、贈賄側の中国企業元顧問、仲里勝憲被告(48)に、裁判でうその証言をする報酬として現金500万円を渡そうとしたなどとして、組織犯罪処罰法違反の証人等買収の疑いが持たれています。

関係者によりますと、松浦代表は元顧問に接触を図ったことについて「秋元議員から依頼された」などと供述しているということです。

また、秋元議員は支援者の会社役員らと共謀し、贈賄側の中国企業の別の元顧問、紺野昌彦被告(49)に偽証を働きかけ、報酬として現金2000万円などを渡そうとした罪で、9日に起訴されました。

特捜部は、いずれのルートも秋元議員が買収工作を主導した疑いがあるとみて、全容解明を進めるものとみられます。

秋元議員は逮捕前の取材に対して、一連の証人買収への関与を全面的に否定しています。

IR汚職事件とは

IRを担当する内閣府の副大臣だった秋元議員は中国企業「500ドットコム」の▽元顧問の紺野昌彦被告(49)と▽仲里勝憲被告(48)らから総額760万円相当の賄賂の提供を受けたとして収賄の罪に問われています。

2人は、捜査段階で賄賂を渡したことを認める一方、秋元議員は起訴された内容を全面的に否認し、中でも3年前の9月に議員会館で現金300万円の賄賂を受け取ったとされる罪については面会自体を強く否定しています。

特捜部はこうした状況の中、秋元議員がみずからの裁判を有利に進めるため2つのルートで買収工作を主導した疑いがあるとみています。

特捜部が描く事件の構図 2つのルートで証人買収か

今回の事件について東京地検特捜部は秋元議員が主導する形で2つのルートで証人買収が行われたとみています。

1つ目は紺野元顧問に対する働きかけです。
このルートでは秋元議員のほか▽支援者で会社役員の淡路明人被告(54)と▽会社役員の佐藤文彦被告(50)が紺野元顧問に裁判での偽証を依頼し、報酬として現金2000万円を渡そうとしたなどとして起訴されています。

関係者によりますと紺野元顧問と実際に面会したのは佐藤役員で、「議員会館では会っていないと証言してほしい」などと依頼したということです。

そして、ことし7月には現金2000万円を持参し、紺野元顧問はいったん受け取ったあと佐藤役員に返却しました。

その後、関係先の捜索でこの買収資金とみられる現金が特捜部に押収され、その一部に秋元議員の指紋が検出されたということです。

淡路役員は調べに対し、「紺野元顧問に渡そうとした現金2000万円のうち1000万円は秋元議員が用意した」と供述しているということで、特捜部は現金に残されていた指紋は、秋元議員の関与を示す有力な証拠とみています。

一方で佐藤役員は秋元議員から依頼され、現金を持参したことは認めたうえで、偽証の働きかけについては否定しているということです。

佐藤役員は「『議員会館で秋元議員と会っていなかったと証言してほしい』と依頼したのは、紺野元顧問が『会っていないかもしれない』と話していたからだ。記憶のとおりに話してほしいと伝えただけで偽証を依頼したわけではない」などと周囲に説明しているということです。
2つ目のルートは仲里元顧問への働きかけです。

仲里元顧問への偽証の働きかけは秋元議員が▽知人で経営コンサルタント会社代表の松浦大助容疑者(51)と▽会社役員の宮武和寛被告(49)と共謀して行った疑いが持たれています。

宮武役員はことし7月、仲里元顧問と面会した際、裁判でうその証言をするよう依頼し、報酬として現金500万円を渡そうとしたなどとして、起訴されています。

関係者によりますと調べに対して宮武役員は「仲里元顧問に渡そうとした現金は松浦代表が準備した」と供述し、松浦代表は仲里元顧問に接触を図ったことについて「秋元議員に依頼された」と供述しているということです。

贈賄側の初公判 2人の元顧問 偽証の働きかけ断ったと証言

2つのルートで証人買収事件の捜査が続く中、先月26日、東京地方裁判所ではIRの汚職事件の贈賄側の初公判が開かれました。

この中で紺野元顧問と仲里元顧問はいずれも秋元議員の関係者からの偽証の働きかけを断り、現金の提供には応じなかったと証言しました。

汚職事件で起訴された国会議員が贈賄側に偽証を持ちかけた疑いで再逮捕されるという前代未聞の事件。

今後の捜査や裁判で真相がどこまで解明されるか注目されます。