新型コロナ 第1波 緊急事態宣言で人と人との接触86%減か

新型コロナ 第1波 緊急事態宣言で人と人との接触86%減か
k10012607911_202009091040_202009091044.mp4
ことし4月、新型コロナウイルスの感染拡大で政府が緊急事態宣言を出した際に人と人との接触を8割削減するよう呼びかけましたが、神戸大学の研究者が数理モデルを使って計算した結果この期間の接触は86%減少していたとする論文をまとめ発表しました。
この論文は数理モデルを使った感染症の流行の分析が専門で、神戸大学の國谷紀良准教授が学術誌で発表しました。

論文では、新型コロナウイルスの第1波で政府の緊急事態宣言が出された翌日の4月8日から、宣言が解除された5月25日までの毎日の新規感染者数の推移をもとに人と人との接触がどの程度減れば、こうした推移になるのかを数学的なモデルを使って計算しました。

その結果、人との接触の割合を示す「接触率」が0.14だった場合に実際の感染者数の推移と一致したということで、これは人と人との接触がふだんより86%減少していたことを示しているということです。

緊急事態宣言が出された際に、政府は、感染拡大の防止のために「人と人との接触を最低7割、極力8割削減」するよう呼びかけていました。

計算を行った國谷准教授は「位置情報を用いた分析では、人出の減少が8割に達しない地点もあったが、全体としては接触8割減が達成されたとみられる。今後も流行が危機的に広がった場合は、再度、呼びかけを検討する必要がある」と話しています。