自民党総裁選 立候補の3氏が共同会見で論戦

自民党総裁選 立候補の3氏が共同会見で論戦
安倍総理大臣の後任を選ぶ自民党総裁選挙に立候補した、石破元幹事長、菅官房長官、岸田政務調査会長の3人は、党本部でそろって記者会見に臨みました。
今回の総裁選挙の争点について、それぞれ持論を展開する一方、衆議院の解散・総選挙の時期については、3人とも新型コロナウイルス対策を最優先にすべきだという考えを強調しました。

今回の総裁選の争点について

今回の自民党総裁選挙の争点について、

▼石破元幹事長は、「国会を公正に運営し、政府を謙虚に機能させる党でなければならない。国民や党員に自分たちの党だと認識してもらえるようにするための党の在り方が争点の1つになる」と述べました。

▼菅官房長官は、「新型コロナウイルス対策や、戦後最大の落ち込みになっている経済をどう立て直すかが争点だ。トップに立ち、政権運営をするわけだから、国民にとってはそうしたことが一番重要だろう」と述べました。

▼岸田政務調査会長は、「安倍政権の7年8か月は高く評価しているが、ここから先は次の人間が担う。ウィズコロナ、アフターコロナから先の経済や社会保障、地方政策、そして外交などの大きな方向性・ビジョンを党員や国民にしっかり示し、論じ合うことだ」と述べました。

衆議院の解散・総選挙の時期について

衆議院の解散・総選挙の時期について、

▼石破氏は、「重要法案が否決されるなど、衆議院の意思と内閣の意思が異なったときに、主権者たる国民の意思を聞くのが解散の趣旨だ。総理大臣の専権事項であり、決まればあらがえないが、今コロナ禍において、そういう状況にはなっていないと思う」と述べました。

▼菅氏は、「国民が政権に期待しているのは、新型コロナウイルスの感染を収束させ、安心できる日常を取り戻してほしいということだ。解散を考えたときに、新型コロナウイルスの状況は大きく影響すると思っており、感染状況を最優先すべきだ」と述べました。

▼岸田氏は、「まずは、新型コロナウイルス対策で、やるべきことを早急にやることが第一だ。そこから先は、世の中や政治の動き、浮かび上がってきた課題を見たうえで、政治が国民の皆さんからエネルギーをいただかなければいけないという判断があれば、解散はあり得ると思う」と述べました。

森友学園や加計学園をめぐる問題などを踏まえた政治姿勢について

森友学園や加計学園をめぐる問題などを踏まえた政治姿勢について、

▼石破氏は、「特定の人だけが利益を受けることを政府がやっていいはずがない。公文書改ざんが起こると真面目な公務員がやっていられなくなる。官僚が本当に国家や国民のために働けるような政府をつくっていかなければならない」と述べました。

▼菅氏は、「国民から客観的に見ておかしいということがあれば、見直しをしなければならない。文書の改ざんは二度とこうしたことを起こしてはならない。謙虚に耳を傾けながらしっかり取り組んでいきたい」と述べました。

▼岸田氏は、「トップダウンや官邸主導で強力な取り組みを行っていかなければならない課題もあるが、権力は鋭いやいばのようなものであり、絶えず謙虚に丁寧に使っていかなければならない。トップダウンとボトムアップの2つの手法を使い分け、説明責任を果たす姿勢が何より大事なのではないか」と述べました。

憲法改正について

憲法改正について、

▼石破氏は、「もう一度、自民党が平成24年にまとめた改正草案に立ち返るべきだ。最高裁判所の裁判官の国民審査や、臨時国会の召集についてなどをきちんと憲法に明記すべきで、それを国民に訴えるため、まず国会で議論をする努力を最大限に行う」と述べました。

▼菅氏は、「自民党の結党以来の党是であり、当然、憲法改正は行うべきだ。自民党はすでに4項目の改正案を提示しており、国会の憲法審査会で各党が考え方を示し、議論を進めていくべきだ。総裁になれば、審査会を進めていくことにしっかり挑戦したい」と述べました。

▼岸田氏は、「自民党が示している4項目の改正案は、しっかり議論を進める材料として訴えていかなければならない。自衛隊の明記や緊急事態の際に国会の権能をどう維持するかなど、国民にしっかり考えてもらう機会を増やすことが王道だ」と述べました。

ミサイル防衛体制を含む新たな安全保障戦略について

ミサイル防衛体制を含む新たな安全保障戦略について、

▼石破氏は、「敵基地攻撃能力の保有は憲法上は可能だが、着手の時期の判断や、専守防衛に反しないかどうかを、現実に即して考えなければならない。日本単独の判断でできるのか、日米安全保障条約との関係も詰めないままに、敵基地攻撃能力が一人歩きするのは極めて危険だ」と述べました。

▼菅氏は、「憲法の範囲内で、専守防衛という考え方のもと、今、自民党で議論をしている。最終的には与党の議論を見据えながら対応していきたい」と述べました。

▼岸田氏は、「敵基地攻撃能力の保有は、ミサイル防衛体制が全体として十分なのかという議論の中で出てきた課題だ。法律的にも技術的にも、詰めないといけない点はたくさんあるが、国民の命や暮らしを守る備えとして必要なのかどうか議論を行う意味はある」と述べました。