東日本大震災で被害の歴史資料修復 新型コロナなどで大幅遅れ

東日本大震災で被害の歴史資料修復 新型コロナなどで大幅遅れ
東日本大震災からまもなく9年半です。
仙台市では、津波で水につかった歴史的な資料を元どおりに近づける作業が来年3月の完了を目指して進められていますが、新型コロナウイルスなどの影響でスケジュールは大幅に遅れる見通しです。
東北大学災害科学国際研究所などでつくるNPOでは、東日本大震災で水につかった江戸時代や明治時代などの手紙や日記、帳簿など、およそ10万点を預かり、汚れを取り除いて元どおりに近づける作業を進めています。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、半年間活動を休止していましたが、先月中旬に再開しました。

このNPOには、去年の台風19号の大雨で水につかった資料についても相談を受けたことから作業を行っていて、7日はブラシなどを使って紙に付いた汚れを取り除く作業が行われていました。

このため、当初は震災から10年となる来年3月までの完了を目標にしてきましたが、スケジュールは大幅に遅れる見通しで、このNPOでは感染対策を行ったうえで作業を急ぐことにしています。

NPO法人「宮城歴史資料保全ネットワーク」のメンバーの1人で、東北大学の川内淳史准教授は「制限がある中でも対策をとって作業を進め、できるだけ早く持ち主に返せるようにしたい」と話していました。