ロシア研究グループ開発の新型コロナワクチン 英医学雑誌掲載

ロシア研究グループ開発の新型コロナワクチン 英医学雑誌掲載
ロシアで新型コロナウイルスのワクチンを開発している研究グループは、正式に承認されたワクチン「スプートニクV」に関して、免疫の役割を担う「抗体」の値の上昇を確認するとともに、健康への深刻な影響は見られなかったとする報告をイギリスの医学雑誌に掲載しました。
ロシアで新型コロナウイルスのワクチン「スプートニクV」を開発している研究グループはイギリスの医学雑誌「ランセット」で初期段階の臨床試験の結果を報告しました。

それによりますと、試験は18歳から60歳の76人を対象に実施し、安全性と接種を受けたあとの抗体の値の変化を調べました。

その結果、およそ半数の人に接種から42日以内に頭痛や発熱の症状が出ましたが、深刻な健康への影響は報告されなかったとしています。

またワクチンを2回、接種した40人全員で新型コロナウイルスの働きを弱める「中和抗体」が作られたことを確認し、抗体の値は自然に感染した人より高かったと報告しています。

ロシア政府は「スプートニクV」について、開発の最終段階となる第3段階の臨床試験を待たずに正式に使用を承認し、11月から大規模な接種を開始する計画を発表しています。

新型コロナウイルスのワクチンをめぐっては、中国で開発中のワクチンの例外的な接種が始まり、アメリカも11月の供給開始を目指して準備を進めています。