待機児童 4月時点 1万2000人余 去年より4000人以上減少 厚労省

待機児童 4月時点 1万2000人余 去年より4000人以上減少 厚労省
保育所などの空きを待つ「待機児童」は、ことし4月の時点で全国で1万2000人余りと、去年より4000人以上減少したことが分かりました。厚生労働省は、今年度末までに待機児童をゼロにする計画の達成に向けて、保育の受け皿の整備を進める方針です。
厚生労働省によりますと、ことし4月時点の待機児童は全国で合わせて1万2439人でした。去年の同じ時期を4333人下回り、調査を開始した平成6年以降、最も少なくなっています。

▽待機児童が最も多かった東京は2343人で去年より1347人、
次いで
▽兵庫が1528人で41人、
▽沖縄が1365人で337人、それぞれ減少するなど、37の都道府県で前の年を下回りました。

青森と山形、富山、石川、福井、山梨、岐阜、鳥取、島根、それに長崎の10県では待機児童がいなかったということです。

全体的に減少した主な理由について、厚生労働省は、都市部を中心に保育の受け皿の整備が進んだためと説明しています。

一方、人口の増加率が高い地域ほど待機児童がいる自治体が多く、172の自治体では保育の申し込みが見込みを上回るなどした結果、待機児童が増加したということです。

政府は、今年度末までに待機児童をゼロにする計画を打ち出していますが、女性の就業率の上昇で保育の需要はさらに増えると見られ、厚生労働省は「引き続き自治体を支援して受け皿の整備を進めたい」としています。

また、特定の保育所を希望するなどして空きを待つ、いわゆる「隠れ待機児童」は、全国で少なくとも4万6000人に上り、受け皿の一層の確保が求められています。

「待機児童数」全国で最多のさいたま市は

さいたま市が待機児童の数が387人と全国の自治体の中で最も多くなったことについて、さいたま市のびのび安心子育て課の大砂武博課長は「去年より減ってはいるが、多くの待機児童がいることを重く受け止めている。マンションなどの宅地開発に伴い、共働き世帯の転入が増える一方、ニーズの高い地域で保育所の整備が追いついていないことが要因だ」と話しています。

そのうえで、来年春には認可保育所などの定員をおよそ3000人増やす予定で、待機児童は大幅に解消される見通しだとしています。

「待機児童率」3年連続全国最高 沖縄 南風原町では

保育所などへの入所を申し込んだ児童に対する待機児童の割合「待機児童率」が全国の自治体で沖縄県南風原町が3年連続で最も高くなりました。

厚生労働省は4日、ことし4月の時点で保育所などの空きを待っている「待機児童」について、全国の市区町村の数字を取りまとめ、公表しました。

このうち、全国の自治体の中で、待機児童数が100人以上いて、保育所などへの入所を申し込んだ児童に対する待機児童の割合「待機児童率」は南風原町が9.13%と3年連続で最も高くなりました。

南風原町で待機児童の割合が高くなっている背景には、道路整備が進み交通の便がよくなったことから隣接する那覇市のベッドタウンとして人口増加が続いていることがあります。

10年前の平成22年には、3万5000人余りだった人口が先月の時点ではおよそ5000人多い4万人余りとなっています。

保育所に通う男の子を連れていた女性は「便利になって人口が増えることはよいことだけど保育所や公園が足りていないと感じる。行政にはもっと頑張ってほしい」と話していました。

また別の女性は「南風原町は那覇市に近い割には自然も残っているため、人気が高く、住居も見つけにくくなっている。保育所が増えてもっと住みやすい町になればよいと思う」と話していました。

南風原町こども課の担当者は「先月、町内に新たに保育園を2か所開設し、保育の受け皿整備を進めているところで、今後も鋭意、待機児童解消に取り組んでいきたい」と話しています。

専門家「質を高める議論も」

保育の問題に詳しい日本総合研究所の池本美香上席主任研究員は、「各自治体が保育所を整備して待機児童を大幅に減少させたことは一定の評価ができる」としたうえで「待機児童になっていなくても、希望の園に入れていない子どもは多い。それぞれの子どもにとっての適切な保育が受けられるよう特に都市部では引き続き保育所の拡充が求められる」と指摘しています。

また、「待機児童ゼロを達成するため、急激に保育所を増やしてきた中で、保育の質が伴っていない施設も見られる。これまでの政策では量の拡充が中心だったが、待機児童の解消が進んだ今、質を高める議論も進めてほしい」としています。