中国 武漢で外国メディア対象の取材ツアー 抑え込みアピールか

中国 武漢で外国メディア対象の取材ツアー 抑え込みアピールか
新型コロナウイルスの感染が最初に拡大した中国の武漢で、当局が外国メディアを対象に現地の状況を紹介する取材ツアーが行われました。感染の拡大を抑え込んだとアピールするとともに、対応の遅れが世界的な感染を招いたなどとする国際社会の批判をかわすねらいがあるものとみられます。
取材ツアーは、中国当局が外国メディアなどを対象に行い、3日、感染者の対応に最前線で当たったとする総合病院を案内し、病院の担当者がことし1月以降、患者が押し寄せたため発熱外来のスペースをおよそ50倍に広げる対応をとったことなどを説明していました。

また、武漢を代表する観光名所「黄鶴楼」では、4月に2か月半ぶりに都市の封鎖が解除された後、地元の住民や観光客が再び訪れるようになり、日常を取り戻しつつあるとPRしていました。

新型コロナウイルスを巡っては、中国の対応の遅れが世界的な感染を招いたなどとアメリカなどが批判していて、中国当局としては感染拡大を効果的に抑え込んだとアピールするとともに、こうした批判をかわすねらいがあるものとみられます。

一方で、武漢で感染して亡くなった人の遺族の中には、当局が情報を隠蔽したことで被害が拡大したとして、責任の追及や真相究明を求める動きもあり、政府の対応への不満がくすぶっています。

武漢の人々は…

武漢に住む20代の女性は「武漢の住民は全員がPCR検査を受けていて、感染が疑われる人は病院に送られて外出できないので、武漢は最も安全な場所だと思います。武漢の人への差別的な目を向けてほしくないです」と話していました。

また、60代の男性は「感染状況が厳しいときには互いにウイルスを持っているか心配していましたが、現在は安全でみなが健康になり喜んでいます」と話していました。