教職員対象のアンケート 「今後いじめが増える」9割に

教職員対象のアンケート 「今後いじめが増える」9割に
新型コロナウイルスの影響で夏休みが短縮されるなど子どもたちは例年と違う状況で新学期を迎えていますが、NPO法人が教職員を対象にアンケートを行ったところ、「疲れた子が増えている」とか「今後いじめが増える」という回答がいずれも9割に上り、現場の懸念が高まっていることがわかりました。
アンケートは教員が相談できる場をSNS上に設けているNPO法人「共育の杜」がことし7月にインターネット上で実施したもので、東京都や大阪府、福岡県など休校期間が長かった7都府県を中心に、国公私立の教職員、1203人から回答を得ました。

この中で子どもたちの様子を尋ねたところ、
▽「疲れている子が増えている」という項目では、「とてもそう思う」「まあまあそう思う」という回答が合わせて87%、
▽「今後いじめが増える」という項目では、「とてもそう思う」「まあまあそう思う」が合わせて89%と、いずれも9割近くに上りました。

一方で、3人に1人の教職員が疲労やストレスから「子どもの話をしっかり聞けなくなる」と答えました。

自由記述欄には「子どもたちは疲れ行事も軒並み中止になり、いじめも発生している」とか「経済的に厳しい家庭が多くなり虐待やネグレクトの対応に追われている」といった切実な声も寄せられています。

調査を行ったNPO法人の藤川伸治 理事長は「休校による学習の遅れを取り戻すことが優先課題となる中、子どもたちも教員も追い詰められている。いじめや暴力など深刻な影響が出る前に現場を支える対策が必要だ」と指摘しています。