新型コロナワクチン 米CDCが11月初めに供給前提で準備求める

新型コロナワクチン 米CDCが11月初めに供給前提で準備求める
新型コロナウイルスワクチンについて、アメリカの複数のメディアはアメリカCDC=疾病対策センターが、全米各州の保健当局に対し、来月末から11月の初めに供給が始まる前提で準備を進めるよう求めていると伝えました。
アメリカABCテレビによりますと、CDCの所長名で全米各州の保健当局に先月27日付けで文書が送付され、この中で、11月1日までに新型コロナウイルスワクチンの供給に必要な施設が完全に稼働できるように、認可の手続きを急いだり、免除したりするよう求めているということです。

また、有力紙ニューヨーク・タイムズは、ワクチンが来月末から11月の初めに使用できるようになる前提で準備を進めるようCDCがガイドラインを出したと報じています。

現在開発中のワクチンは、いずれも最終段階となる第3段階の試験を終えていませんが、中国やロシアは試験が終わる前に例外的に接種を始めたり承認をしたりしているほか、アメリカの規制当局の責任者も緊急で使用を許可する可能性を明らかにしています。

アメリカでは依然、感染の拡大が深刻な状態が続いていますが、メディアの一部は、11月の大統領選挙を前に、新型コロナウイルス対策の成果を示したいトランプ政権の圧力で、安全性や効果が十分に検証されないまま、ワクチンが供給される可能性があることに懸念を示す専門家の見方を伝えています。