ドクターヘリ出動半数以下に 感染リスク考え要請控えたか 群馬

ドクターヘリ出動半数以下に 感染リスク考え要請控えたか 群馬
群馬県で、ことし4月から7月の間にドクターヘリが出動した件数は、去年の半数以下に減っていることがわかりました。ヘリを運用している病院は、消防が新型コロナウイルスの感染リスクを考え、必要以上にヘリの要請を控えている可能性があるとみています。
群馬県のドクターヘリは、前橋赤十字病院を拠点に県内全域をおおむね20分以内で搬送できるようカバーしていますが、ことし4月から7月のドクターヘリの出動件数は154件と、去年の同じ時期の半数以下に減りました。

県では、機内の気密性が高いため、新型コロナウイルスへの感染が疑われる患者の場合、原則としてドクターヘリでは搬送しないことにしていますが、前橋赤十字病院は、消防が感染リスクを考えて、必要以上にヘリの要請を控えている可能性があるとみています。

また、ヘリが出動したものの、感染リスクの懸念などから患者を乗せずに、救急車で搬送した割合も増えていて、去年の4月から7月は31%でしたが、ことしの同じ時期は49%でした。

先月29日には、嬬恋村で埼玉県の男性に脳卒中が疑われる症状があり、ヘリが出動しましたが、男性が都内に頻繁に出かけていたことなどから、感染リスクを排除できないと判断し、救急車で搬送しました。

前橋赤十字病院高度救命救急センターの小橋大輔医師は「クルーが感染した場合、ヘリが運休になり、救急医療にさらに影響を与える可能性もある。少しでも早く医療につなげるための取り組みを強化していくしかない」と話しています。