新型コロナ 大学調査で学生の心への影響が浮き彫りに

新型コロナ 大学調査で学生の心への影響が浮き彫りに
新型コロナウイルスによる学生生活への影響について、各地の大学が行ったアンケート調査で、中等症のレベル以上のうつの症状がおよそ1割の学生に見られたり、心の調子が悪くならないか不安と答えた学生が過半数となったりするなど、心への影響が浮き彫りになっています。
このうち秋田大学では、ことし5月から6月にかけて、すべての大学生と大学院生、5100人余りを対象に調査を行い、53%の学生から回答がありました。

それによりますと、女性の11.5%、男性の10.3%で、中等症のレベル以上のうつの症状が見られたということです。

また、生活スタイルなどの回答を含め分析した結果、うつの症状のリスクは、喫煙している場合は2.85倍高まる一方、高い頻度で運動していた場合は0.54倍まで低くなると分析しています。

静岡市にある静岡県立大学では、ことし4月から5月にかけて、大学生と大学院生を対象に調査を行い、半数以上に当たるおよそ1600人から回答を得ました。

それによりますと「自分の心の調子が悪くならないか」という質問に「非常に不安」、「不安」、「少しだけ不安」と答えた学生は合わせて、およそ55%に上るということです。

この回答を4年生までで見ると、学年が上がるごとに割合が増える傾向にあり、実習や就職活動の進め方など、将来への不安があらわれているのではないかと分析しています。

福岡市にある九州大学では、ことし6月、大学生と大学院生を対象に調査を行い、3割ほどに当たるおよそ6000人から回答を得ました。

それによりますと、「孤独感や孤立感を感じる」と答えた学生と、「気分が落ち込んでいる」と答えた学生が、それぞれ、およそ4割に上ったということです。

調査を行った大学の1つ、静岡県立大学の津富宏教授は「アンケートを通して学生の非常に高い不安が分かった。食料を配布する会などを通じてボランティアが学生から不安を聞き取ったり、学生どうしをつないだりして、取り残される学生がないよう支えていきたい」と話しています。