コロナ専門家会合「感染者 緩やかな減少傾向続くも警戒必要」

コロナ専門家会合「感染者 緩やかな減少傾向続くも警戒必要」
新型コロナウイルス対策について、厚生労働省に助言する専門家の会合が開かれ、現在の感染状況について、新たな感染者数は全国的には緩やかな減少傾向が続いているものの、沖縄県や福岡県など増えている地域もあり、引き続き警戒が必要だと評価しました。
2日、開かれた会合では現在の感染状況について、最新のデータを基に専門家が分析を行いました。

このうち、1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す「実効再生産数」と呼ばれる数値を元にした評価では、東京都や大阪府、愛知県など主要都市では流行が収束に向かうとされる1を下回っていて、緩やかな減少傾向が持続しているとされた一方で、沖縄県や福岡県では1をわずかに上回るという分析もあり、緩やかな増加傾向がみられたということです。

このため、引き続き継続的な患者の発生や再拡大への警戒が必要な状況だとしました。

また、会合では国立感染症研究所が感染者のうち、亡くなった人の割合を年齢別に推計し、必要な調整を加えた「調整致命率」のデータも新たに報告されました。

それによりますと、ことし5月末までの1か月間の「調整致命率」は全体で7.2%、70歳以上で25.5%だったのに対して、現在の流行では先月の1か月間に全体で0.9%、70歳以上で8.1%と大きく下がっていたということです。

これについて専門家会合の脇田隆字座長は「検査によって軽症の人が多く見つかったことで、亡くなる人の割合が下がったことが大きな要因だとみられるが、よりこの病気の実像に近づいた可能性がある。一方で、別の分析では高齢者の致死率はあまり変わっていないという結果も出ているので、引き続き分析が必要だ」と話しています。

また会合では、現在、新型コロナウイルスが「指定感染症」となっていることについて、新たに川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長を座長とするワーキンググループを設置して、運用の在り方などについて検討していくことが決まりました。