コロナ抗体調査始まる 再感染リスク解明やワクチン開発に期待

コロナ抗体調査始まる 再感染リスク解明やワクチン開発に期待
新型コロナウイルスから回復した人の血液を採取して、「抗体」が体内でどこまで持続するのかを調べる大規模な調査が2日から始まりました。調査を行う大学などの研究グループは、「再感染のリスクの解明やワクチン開発につなげていきたい」としています。
「抗体」はウイルスに感染した人の体内にできるたんぱく質で、このうち、「中和抗体」と呼ばれるものはウイルスの働きを抑え、感染を防ぐ力があるとされています。

横浜市立大学などの研究グループは新型コロナウイルスに感染し、その後、回復した人を対象に、「抗体」や「中和抗体」がどこまで持続するのかを調べる大規模な調査を2日から始めました。

都内の病院では、ことし4月に感染した65歳の男性が、調査に協力し血液の採取を受けていました。

今回の調査は国の研究費で行われ、4月から5月に掛けて感染した20歳以上の人が対象となります。

感染の半年後と1年後に血液を採取して、どれくらいの量の抗体が残っているのかを調べます。

研究グループでは抗体の持続性を調べることで、回復した人の再感染のリスクを分析したり、体内に抗体を作る「ワクチン」の研究開発にも役立てたりしたいとしています。

抗体についての大規模な調査は国内で初めてだということで、すでに500人の回復者が登録しているということです。

研究グループは来月にも中間結果を取りまとめたいとしていて、横浜市立大学データサイエンス研究科の後藤温教授は「新型コロナウイルスはまだまだ分からないことが多く、回復者の大規模な抗体調査は世界でも報告がない。病気の解明やワクチンの開発にも貢献できると期待している」と話しています。

研究グループは9月いっぱいまで調査の協力者を募っていて、電話番号「0120-299-300」で、平日は午前9時から午後8時まで、土日と祝日は午前9時から午後5時まで受け付けています。

協力者の男性 一時は命の危機に直面

今回の抗体調査に協力した都内に住む65歳の男性はことし4月、新型コロナウイルスへの感染が明らかになりました。

胸が苦しくなるなど症状が悪化し、一時は人工心肺装置「ECMO」をつけ、命の危機に直面しましたが、その後の治療で症状は徐々に改善し、1か月後の5月7日に検査で陰性となりました。

しかし、入院中、寝たきりの状態が続いたため筋力が低下し、1人で起き上がることも食事をすることもできなくなりました。

その後のリハビリで元の生活に戻りつつありますが、胸の苦しみや呼吸がしづらい状態は続いているといいます。

「今度、新型コロナウイルスに感染したら、命を落とすかもしれない」。

そう考えていた男性は主治医から今回の抗体調査の話しを聞き、協力することを決めました。

男性は「助けてもらった命なのでウイルスの解明に役立ちたいと思い、協力しました。

自分が再び感染するリスクがどこまであるのかは命に関わる問題なので、ぜひ、今回の調査で解明してもらいたい」と話しています。