キャベツや白菜 9月前半は高値続く見通し 農水省

キャベツや白菜 9月前半は高値続く見通し 農水省
この夏の高温と、雨が少なかった影響でキャベツが高値になっています。農林水産省は9月の野菜の価格は多くの品目が平年並みとみていますが、キャベツや白菜は前半は高値が続くとみています。
農林水産省によりますと、東京都中央卸売市場の8月31日時点の主な野菜14品目の価格は、
▽きゅうりが平年より18%、
▽たまねぎとねぎが17%、
▽レタスが16%、安く、10の品目が平年より安くなっています。

一方、
▽キャベツは平年より92%、
▽白菜が46%、高くなっています。

これはこの夏の高温に加え、キャベツの主な産地である群馬県や白菜の主な産地である長野県で雨が少ない状況が続き、出荷量が減っているためです。

このためキャベツと白菜は9月前半は高値が続く見通しです。

ただ、農林水産省は適度な雨が降れば生育が回復し9月後半には平年並みに戻るとみています。

また、7月の日照不足などの影響で値上がりしていたなすやきゅうり、レタス、ねぎは、すでに平年並みの水準に戻っていますが、9月も平年並みで推移するとみています。

4月の低温などの影響で6月から先月にかけて高値が続いていたじゃがいもとにんじんは、北海道からの出荷が本格化していることから平年並みの価格で安定して推移する見通しです。

このほか、ピーマンやトマト、ほうれんそう、大根なども平年並みの水準が続くと見ています。

農林水産省は「7月の記録的な長雨や日照不足の影響で、野菜の生育が全般的に不良となり、高値が続いていたが、梅雨明け後の天候回復により、出荷量が増え、8月中旬以降、多くの品目で、卸売価格が下落してきた。今後、台風の影響が心配されるが、おおむね野菜の価格は下がり落ち着いていくとみられる」としています。

仙台 もやしや豆苗など売り上げ伸びる

キャベツなどの高値が続くなか、仙台市の小売店では、値段が比較的安定しているもやしや豆苗などの売り上げが伸びているということです。

仙台市宮城野区にあるみやぎ生協幸町店では、7月から先月にかけて多くの野菜が平年より高い値段で売られていましたが、先月下旬ごろから全体的に下がり始めているということです。

ただ一部の野菜の値段は下がらず、キャベツは1玉298円、白菜は4分の1にカットしたものが198円と、平年の2倍ほどの高値が続いています。

こうしたことから、少しでも出費を抑えようと値段が比較的安定している野菜の人気が高まっていて、もやしは平年より2割ほど、豆苗は7割ほど売り上げが伸びているということです。

買い物に来た70代の女性は、「キャベツを丸ごと買うと高いので、代わりにカット野菜や豆苗を使っています。農家も大変なのでしかたないと思いますが、安くなってほしいです」と話していました。

また、60代の女性は、「がまんして、値引き商品や、半分に切ったものを買っています。家計にはとても厳しいです」と話していました。

みやぎ生協幸町店の山岸佑侑さんは、「新型コロナウイルスの影響で家ですごす人が多くなり、野菜の需要は増えています。高値の野菜をカットして売るなど、買いやすいようにしていきたいです」と話していました。

群馬 冬キャベツにも影響懸念

日照不足や高温の日が続いた影響で、群馬県では、この夏から秋に収穫するキャベツの出荷量が減っているほか、植えたばかりの苗の一部にも枯れる被害が出ていて、冬の出荷量も減ることが懸念されています。

群馬県は、夏から秋にかけて収穫するキャベツの量が全国一で、1シーズンにおよそ23万トンを全国に出荷しています。

県内でも特にキャベツの生産がさかんな嬬恋村の生産者組合などによりますと、ことしは、梅雨による7月の日照不足のほか、8月も高温と雨が少ない日が続いた影響で、夏から秋に収穫するキャベツの出荷量が減っているということです。

さらに、冬に収穫するキャベツにも影響が出ることが懸念されています。

群馬県渋川市でキャベツを育てている狩野正好さんの広さ4ヘクタールの畑でも、8月は高温の日が続き、雨が少なかったため、植えたばかりの苗のうち、3割ほどが枯れたり、うまく根付かなかったりしたということです。

今後、気温が下がり、雨が適度に降れば、残りの苗の生育に影響はないとしていますが、この冬の出荷量は減る見通しだということです。

狩野さんは「苗がこれだけ枯れたのは初めてで、生産者としては大きな痛手です」と話していました。

値ごろな野菜使った節約レシピ動画に関心集まる

この夏、野菜の高値が続き値ごろな野菜を使って料理を作りたいという消費者が増えたため、料理のレシピを動画配信するサイトでは野菜を使った節約料理の発信に力を入れています。

料理のレシピを動画配信する「クラシル」の運営会社は、1日から「節約野菜特集」という特設ページを作りました。

豆苗やもやし、小松菜、オクラといった、比較的、値ごろで価格が安定している野菜を使ったレシピをまとめて紹介しています。

夏には例年、トマトやナスなどの旬の食材を使ったレシピ動画が人気になりますが、先月高値が続きこの夏は視聴数が伸び悩んでいるため、新たな取り組みとして特設ページを作ったということです。

会社では、年間を通して価格が安定しているカット野菜や冷凍野菜を使ったレシピも増やす方針で2日は、カット野菜を使ったあんかけ焼きそばのレシピを新たに撮影していました。

節約野菜の特集に対しては、利用者から「野菜が高いから助かる」といったコメントが寄せられているということです。

会社でマーケティングを担当している古田理知花さんは「豆苗やもやしなどを使ったレシピの検索数は増えています。安いメニューを求めるニーズにあったレシピを提供していきたいです」と話していました。

お好み焼き店は苦戦

キャベツなどの野菜の高騰は飲食店の経営にも影響を与えています。

東京 千代田区にあるお好み焼き店では、広島名物のキャベツをふんだんに使ったお好み焼きを提供しています。

店では、毎日、近くのスーパーから20個余りのキャベツを仕入れていますが、これまで1個200円ほどだった価格が先月から400円近くに値上がりしたということです。客に満足してもらうためキャベツの量を減らすことはできず、価格も維持して営業しています。

ことしは、新型コロナウイルスの影響で客足が伸び悩んでいて、野菜の高騰による仕入れコストの上昇はさらなる負担となっています。

「広島お好み焼き カープ 東京支店」の店主の山岡康秀さんは「お客さんも半分以下に減っているなかで野菜の高騰はダブルパンチだ。早く安くなってくれることを祈るしかない」と話しています。