「としまえん」31日最後の営業日 94年の歴史に幕

「としまえん」31日最後の営業日 94年の歴史に幕
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東京 練馬区の遊園地「としまえん」が31日、94年の歴史に幕を下ろします。
最後の営業日となった31日、園内は閉園を惜しむ多くの人でにぎわっています。
園内では、来場者へ長年の感謝を伝えるさまざまなイベントが開催されていて、このうち、としまえんへのメッセージを書くことができるコーナーでは、大勢の人がとしまえんの思い出や感謝の気持ちなどをつづっていました。

また、としまえんのシンボルになっている世界で最も古いとも言われているメリーゴーラウンド、「カルーセルエルドラド」には、大勢の人が順番待ちの列を作りながら記念撮影をしていました。

「としまえんが好き」というメッセージが入ったたすきを作ってきた親子連れは「本当に大好きだったので気持ちを込めてたすきを作りました。子どもが大きくなり、少しずつ乗ることができる乗り物が増えていたのに、閉園は残念です」と話していました。

31日はエリアごとに営業が終了することになっていて、人気を集めるプールでは、午後5時になると係員が営業終了をアナウンスし、多くの来場者が名残惜しそうにプールをあとにしていました。

このあとは午後7時に乗り物の運行が終了し、午後8時からは夜空に花火が打ち上げられて閉園セレモニーが行われ、「としまえん」は94年の歴史に幕を下ろします。

ファンの女性の思いは…

としまえんの閉園に多くのファンが悲しみを募らせています。

としまえんから程近い中野区出身の上田千愛さん(23)です。

小さい頃から何度も通ってとしまえんとともに成長してきたという上田さんは、閉園を複雑な思いで受け止めています。

「きょうも楽しかったなというのをずっと積み重ねてきて、今ではすごい大きな思いになっている。受け入れられないというのが大きい。悲しいし、悔しい」。

閉園が近づく中で、今月、閉園への自分の思いを投稿するツイッターのアカウントを作成したところ、同じ思いをもつファンどうしの交流の場となりました。

最終日には、夕方からしか来場できないため、閉園2日前の今月29日、としまえんが初めてという友人と2人で訪れました。

「いろいろな感情はあるがマイナスな気持ちはおいて全力で最後まで楽しみたい」。

この日は、小さい頃から慣れ親しんできた乗り物をすべて乗ることを決めていました。
1番長い行列ができていたのが、としまえんのシンボルと言われているメリーゴーラウンドの「カルーセルエルドラド」。

お目当てだった3頭並んだ木馬に乗り込み、友人と写真を撮りながら楽しみました。

「いつも締めに乗っている。出口に歩くとこれがあって、最後にメリーゴーランドに乗ろうと。次もすぐ来れるのにこれに乗るとセンチメンタルな気持ちになってきょうは、そっか、本当にそのときなんですよね。夜のカルーセルエルドラドは本当にきれいで、好きで本当の締めなんだなと思うとやりきれないというかこれだけでも残してもらいたい」。

「としまえん」閉園の経緯と今後

東京練馬区の「としまえん」は大正15年に開園し、90年を超える歴史を持つ遊園地で、22ヘクタールの敷地にアトラクションやプールなどを備えています。

昭和30年代には屋内のスキー場、昭和40年代には「流れるプール」といった世界で初めてとされる施設を導入するなど、首都圏を代表する遊園地の一つとして知られ、多くの人に親しまれてきました。

1990年代には来場者数が400万人を超えていましたが、こうした中、東京都は東日本大震災を受けて、2011年に「としまえん」を中心とする一帯の土地を西武グループなどから買収したうえで、災害時の避難場所にも活用できる都立公園として整備する方針を固めました。

その後、来場者数は2017年度は96万人まで減少したものの、2018年度はやや持ち直し、112万人となっていました。

そして、ことし6月、土地を所有する西武鉄道が今月いっぱいで閉園することを発表していました。

としまえんの跡地の整備については、東京都が西武鉄道などと覚書を締結し、小説や映画が世界的に人気の「ハリー・ポッター」のテーマパークや防災機能を備えた公園を2023年前半までに整備する予定となっています。