ホテルなど宿泊者 7月は前年比56%減 コロナの影響続く

ホテルなど宿泊者 7月は前年比56%減 コロナの影響続く
7月に国内のホテルや旅館などを利用した宿泊者は、去年の同じ月に比べて56%減少し、前の月からはやや改善しましたが、新型コロナウイルスの観光業への深刻な影響が続いています。
観光庁の発表によりますと、先月(7月)、ホテルや旅館などを利用した宿泊者の速報値は延べ2258万人で、去年の同じ月に比べて56.4%減りました。

都道府県をまたぐ移動の自粛が緩和され、先月22日にはGo Toトラベルが始まったこともあり、減少幅は前の月(6月)の68.9%からは12ポイント余り改善しましたが、依然として観光業への深刻な影響が続いています。

また、外国人の宿泊者は延べ32万人で、去年の同じ月と比べて97.0%減少し、記録的な落ち込みが続いています。

先月のホテルや旅館などの客室稼働率は30.4%で、6月の22.8%から8ポイント近く上昇しましたが、なお低い水準が続いています。

観光庁は「Go Toトラベルの需要喚起の効果を見極めるには、8月以降の動向を見ていく必要がある」としています。

名古屋のビジネスホテル 稼働率激減

リニア中央新幹線の開業や外国人観光客の増加を見込んでここ数年、ホテルの建設ラッシュにわいていた名古屋市でも、新型コロナウイルスの影響でホテルの稼働率が大幅に下がり、深刻な経営状況が続いています。

このうち、名古屋市中心部の丸の内にあるビジネスホテルは、100余りの客室があり、おととし6月のオープン以降、ビジネス客や外国人の観光客を中心に利用を伸ばしてきました。

去年は夏場の客室の稼働率が80%台となっていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大以降、外国人観光客の激減や企業の出張の自粛で、稼働率は低迷が続いています。

先月22日に始まった政府の観光需要喚起策「Go Toトラベル」の効果も限定的で、先月の稼働率はおよそ22%と、先行きの見通せない状況が続いています。

ホテルでは、客室全体のおよそ3分の1を占める3つのフロアを閉鎖して経費を削減したり、従業員1人当たり、月に1、2回ほど休みの日を設けたりして対応しているということです。

ホテル・アンドルームス名古屋栄の木田和希さんは「新型コロナウイルスの影響がここまで長引くとは思わず、想像を超えていた。今後どうなるかはあまり想像したくないが、早く収まることを願いつつ、今は経費削減などできることをやるしかないと思っています」と話していました。