福島 相馬 コロナで灯籠流し中止も津波の犠牲者を慰霊する会

福島 相馬 コロナで灯籠流し中止も津波の犠牲者を慰霊する会
東日本大震災の犠牲者を供養するため福島県相馬市で毎年行われている灯籠流しが、新型コロナウイルスの影響でことしは中止になりました。このため、参加者を絞って慰霊する会が行われました。
震災による津波で多くの人が亡くなった相馬市では、地元の住民や寺の住職からなる実行委員会が、毎年この時期に犠牲者を供養しようと灯籠流しを行っています。

10回目となることしの灯籠流しで最後にする予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で中止となったため、30日は参加人数を絞って市内の寺で慰霊する会を行いました。

会では震災が発生した午後2時46分に、海の方角に向かって黙とうをささげ、寺に設置された慰霊碑に1人ずつ線香を供えて、静かに手を合わせていました。

実行委員会によりますと、ことし開催できなかった最後の灯籠流しは、来年、実施する予定だということです。

実行委員会の一人で相馬市の摂取院の住職を務める鈴木弘隆さんは「新型コロナウイルスの影響で灯籠流しが中止になった中でも、震災で亡くなった方々の供養をしっかり行うことができて安心しています」と話していました。

実行委員会の顧問を務める安達利郎さんは「しっかり犠牲者のかたを供養し、震災の記憶の風化を防ぐためにも、来年こそは通常どおりの灯籠流しを開催できることを願っています」と話していました。