羽生結弦 今季GPシリーズを欠場 “コロナの感染拡大防止に”

羽生結弦 今季GPシリーズを欠場 “コロナの感染拡大防止に”
フィギュアスケートの羽生結弦選手が今シーズンのグランプリシリーズを欠場することになりました。
6か国で開催されるグランプリシリーズは、例年、10月から開かれ、成績上位者はグランプリファイナルに出場します。

今シーズンは、10月にアメリカで最初の大会が行われ、日本では11月に大阪でNHK杯が開かれます。

今シーズンの大会について国際スケート連盟は新型コロナウイルスの対策としてそれぞれの大会の出場選手を、開催国の選手やその開催国で練習している選手などに制限して実施するなどの方針を発表していました。

羽生選手は、グランプリシリーズに2010年から出場し、グランプリファイナルも含め、これまで12回の優勝を果たしていますが、日本スケート連盟は28日、羽生選手が今シーズンのグランプリシリーズを欠場すると発表しました。

欠場の理由について羽生選手は、新型コロナウイルスの感染のリスクを踏まえて慎重に行動を検討する必要があるとしているほか、カナダ在住のコーチが日本での大会に帯同するため来日することが困難と予想されること、自分が動くことによって多くの人が移動し集まる可能性があり、その結果として感染リスクが高まる可能性があることなどを理由にあげています。

羽生選手は「私が自粛し、感染拡大の予防に努めるとなれば、感染拡大防止の活動の一つになりえると考えております。一日も早く新型コロナウイルスが収束することを願っております」とコメントしています。

計12回の優勝

羽生結弦選手は、これまでグランプリシリーズとシリーズの成績上位者が出場するグランプリファイナルを合わせて12回の優勝を果たしています。

圧倒的な成績に加えて、印象に残る滑りも披露してきました。
羽生選手がグランプリシリーズに初めて出場したのは、16歳でのシニアデビューとなった2010年のNHK杯で、4回転ジャンプを成功させるなどして4位に入りました。

続く2011年には、東日本大震災の影響で練習拠点の仙台市のリンクが被災するなどの逆境を乗り越えて、ロシア大会でグランプリシリーズ初優勝を果たしました。さらに、グランプリファイナルにも初めて出場して4位に入りました。

2012年はNHK杯で初めて優勝し、2013年に福岡市で開かれたグランプリファイナルでは、ショートプログラムの当時の世界最高得点を更新するなどして初優勝を果たしました。

ソチオリンピックで金メダル獲得したあとの2014年の中国大会では、演技直前の練習でほかの選手と激しくぶつかってけがをしましたが、頭にテーピングを巻くなどして出場し、2位に入りました。
さらに、2015年のNHK杯では世界で初めてショートプログラムとフリーの合計で300点超えを果たしました。

羽生選手は、グランプリファイナルでは2016年まで4連覇を達成しました。去年のグランプリシリーズではカナダ大会とNHK杯を制し、グランプリファイナルでも2位となっていました。