安倍首相 辞任の意向 海外メディアが速報

安倍首相 辞任の意向 海外メディアが速報
安倍総理大臣が辞任の意向を固めたことについて、欧米や中国、韓国など海外のメディアは、NHKなど日本のメディアの報道を引用するかたちで相次いで速報で伝えています。
ロイター通信やAP通信は日本のメディアが安倍総理大臣が辞任の意向を固めたと報じたと相次いで速報で伝えました。

また、イギリスのBBCも安倍総理大臣が体調の悪化のため辞任すると伝えています。

中国では、国営の中国中央テレビがNHKの報道を引用して安倍総理大臣が持病が悪化したことなどから国政への影響を避けたいとして辞任する意向を固めたと伝えています。

中国共産党系の機関紙、人民日報もNHKの報道を引用して同様の内容を報じ、韓国では公共放送のKBSや通信社の連合ニュースが速報で一斉に伝えています。

米ニューヨーク・タイムズ 「コロナ対応に不満も」

アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは「日本で在任期間最長のリーダーが病気を理由に辞任」という見出しで伝えています。

記事のなかで「安倍総理大臣はトップの交代に慣れている国で8年近く首相を務め、偉業を成し遂げた」としています。

その一方で「憲法改正や北方領土の返還などいくつかの目標を達成できなかった」と報じています。

そのうえで辞任の意向を固める前の状況について「安倍総理大臣は不支持の割合が上がり、非常に不人気なリーダーになっていた。国民は政権の新型コロナウイルスへの対応に不満を抱いていた」と指摘しています。

韓国 連合ニュース 「新しい総理就任 韓国との関係変化か」

安倍総理大臣が辞任の意向を固めたことについて、韓国のメディアも相次いで速報しました。

このうち、通信社の連合ニュースは、NHKの報道を引用する形で、持病が悪化したことなどから国政に支障が出る事態は避けたいとして、辞任する意向を固めたと伝えています。

そのうえで、「安倍総理大臣は歴史問題について強硬な態度を示してきたが、新しい総理が就任すると、韓国との関係でどのような変化があるかも注目される」としています。

また、保守系の朝鮮日報は電子版で、「今月24日に連続の在任期間が歴代最長となったが、新型コロナウイルスへの対応の失敗などで支持率が低下していた」と伝えています。

ロシア 国営メディアなどが報道

ロシアでは国営のロシア通信などが日本の報道を引用して安倍総理大臣が総理大臣を辞任する意向を固めたことを一斉に伝えています。

ロシアではプーチン大統領が安倍総理大臣と首脳会談を重ね平和条約交渉を続けてきたことが詳しく報じられてきただけに関心を集めています。

米 ワシントン・ポスト「トランプ大統領と親密な関係」

アメリカの有力紙、「ワシントン・ポスト」はNHKなど日本のメディアの報道を引用する形で、安倍総理大臣が辞任の意向を固めたことを伝えました。

この中では、安倍総理大臣の在任期間が日本で最長であることを示したうえで、「アベノミクスと呼ばれる政策パッケージを通じて日本経済を復活させようとしたが多くのエコノミストが必要だとする抜本的な改革はできなかった」との見方を示しています。

また、「中国や北朝鮮などの脅威に対応する広範な取り組みの一環としての憲法改正にも至らなかった」としています。

一方で、「最近ではトランプ大統領と何度かゴルフをして親密な関係にある」としたほか「日本の活性化に向けて東京オリンピックを開催することを熱望していた」と伝えています。

仏 AFP通信「健康上の苦痛によってプレッシャーか」

フランスのAFP通信は、日本の複数のメディアが安倍総理大臣が辞任の意向を固めたと報じたと速報で伝えました。

AFP通信はこの中で、「安倍総理大臣は連続の在任期間が歴代最長となるなか、健康上の苦痛によってプレッシャーをため込んだようだ」と分析しています。

また、「日本は新型コロナウイルスの影響を比較的抑えられたものの安倍政権がすべての世帯に布マスクを2枚ずつ配布するなどの取り組みは厳しい批判を浴びた」としています。

そのうえで、「野党は分裂していて、内閣の支持率が下落していてもそこにつけ込むことができない中、辞任を巡っては直接のプレッシャーはほとんどなかったようだ」と報じています。

米 CNNテレビ「トランプ大統領と初めて関係を築いた」

アメリカのCNNテレビは東京からの中継で、安倍政権の外交政策について「トランプ大統領との関係は日本国内だけではなく、国際的によく知られている。安倍総理大臣はトランプ大統領と初めて関係を築いた国際的なリーダーの1人とも言える」と指摘しました。

そのうえで、2人の関係によって中国などと異なり、アメリカとの貿易戦争を避けることができたという専門家の見方を伝えました。

一方、安倍総理大臣が辞任したあとの見通しについて「総選挙が向こう1年の間に行われる可能性があるが、後任が決まっていないためプロセスが混乱する可能性がある。新型コロナのパンデミックのさなかにあり、経済が落ち込んでいるなかで政治の混乱は日本の国民が最も懸念していることの1つだろう」と指摘しました。

英 公共放送BBC「憲法改正できなかった」

イギリスの公共放送BBCは、安倍総理大臣の辞意表明にあたってこれまでの政策などについて論じています。

このなかでは、「安倍総理大臣は断固とした保守であり、ナショナリスト的だとの評価がある」とする一方、経済政策については、「『アベノミクス』として知られる積極的な政策で経済成長を促した」と指摘しています。

また、安全保障と憲法改正にも触れ、「日本の防衛を強化し、軍事費の支出を引き上げたが、憲法9条の改正はできなかった」と伝えています。

一方、シンガポールからの中継では、安倍政権の外交政策について「安倍総理大臣はトランプ大統領と近い関係にあるだけでなく、近隣の国々、特に中国との関係改善に力を注いできた」と指摘したうえで、「辞任したあと、こうした国々に対する日本の姿勢に変化があるのか注目されている」と伝えました。

中国 新華社通信「日本の政界は衝撃を受けている」

中国国営の新華社通信は論評記事を配信し、「日本の政界は衝撃を受けている」としたうえで、次の総理大臣について複数の政治家の名前を挙げ、中国が日本の政治の行方に高い関心を示していることがうかがえます。

論評記事では、安倍総理大臣の連続の在任期間が歴代最長だったことなどに触れたうえで、辞任は日本の今後の内政や外交の行方に懸念をもたらすと伝えています。

このうち経済については、「新型コロナウイルスの影響で『アベノミクス』の長年の成果はほぼ無に帰した」とし、外交については、「ロシアや北朝鮮との外交において成果を得られていないほか、日韓関係は慰安婦問題や太平洋戦争中の『徴用』をめぐる問題などで長期にわたって低迷している」と伝えています。

また、次の総理大臣については、石破元幹事長や岸田政務調査会長、菅官房長官など合わせて7人の政治家の名前を挙げ中国が日本の政治の行方に高い関心を示していることがうかがえます。