WHO 国際保健規則 見直すため委員会設置へ

WHO=世界保健機関は、新型コロナウイルスをめぐってことし1月、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しましたが、宣言の根拠となった国際保健規則を見直すため、委員会を立ち上げることを明らかにしました。
WHOのテドロス事務局長はことし1月、新型コロナウイルスの感染が中国からほかの国に拡大するおそれがあるとして、国際保健規則に基づいて「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しましたが、中国との間で人の移動や貿易を制限する必要はないと強調し、こうした対応が適切だったか疑問視する見方もあります。

27日、テドロス事務局長はスイスのジュネーブの本部で開いた定例の記者会見で、「国際法の強力なツールである国際保健規則を最大限有効にできるように、改定する必要があるかどうか助言する委員会を立ち上げるつもりだ」と述べ、国際保健規則を見直すため、委員会を立ち上げることを明らかにしました。

委員会は、複数の専門家で構成し、来年5月のWHO総会で最終報告書の提出を求めるとしています。

WHOはこれとは別に先月、新型コロナウイルスへのWHOや各国の対応を検証する独立委員会も設置していて、今後の感染症対策への教訓を得るため、踏み込んだ分析を行えるかが焦点となります。