大坂なおみ ツアー大会準決勝を棄権 黒人男性銃撃に抗議

大坂なおみ ツアー大会準決勝を棄権 黒人男性銃撃に抗議
テニスの大坂なおみ選手は、アメリカのウィスコンシン州で黒人の男性が警察官に背後から撃たれたことに対する抗議活動が広がるなか、27日に出場予定だったツアー大会の準決勝のボイコットを表明しました。
大坂選手は四大大会の1つで今月末に開幕予定の全米オープンの前哨戦としてニューヨークで開かれているツアー大会に出場していて、26日の準々決勝に逆転勝ちし、27日に準決勝に臨む予定でした。

マネジメント会社によりますと、大坂選手はアメリカのウィスコンシン州で黒人の男性が警察官に背後から撃たれたことへの抗議として大会のボイコットを決め、準決勝を棄権するということです。

大坂選手は自身のツイッターで「私はアスリートである前に1人の黒人女性です。黒人女性として、テニスよりも、もっと大事な問題があります。棄権することで劇的に何かが変わることを期待してはいませんが、白人が主流の競技で議論を始めるきっかけにできれば、正しい方向に進むための第一歩になると思っています。警察官の手で黒人が虐殺され続けているのを見ると本当に胸が痛くなります。何度も何度も同じ話題を扱うことに疲れ切っています。いつになったら終わるのでしょう」とコメントしています。

一方、大坂選手が棄権すると表明した大会は、27日に予定されていたすべての試合の休止が決まりました。

大会のホームページで主催者は「アメリカで再び表面化した人種差別や社会的な不公平に一丸となって反対する立場を取る」とコメントしています。

同じ会場で開かれている男子のツアー大会も同様に試合を見合わせるということです。男女ともに翌日の28日から試合を再開するとしています。

NBAバックス 抗議で試合ボイコット

人種差別への抗議活動が全米で広がりを見せる中、NBA=アメリカプロバスケットボールでは、銃撃が起きたウィスコンシン州に本拠地を置くバックスが、事件に抗議して26日の試合をボイコットし、予定されていたプレーオフ3試合の中止が決まりました。

NBAと選手会は26日、この日予定されていたプレーオフの3試合を中止すると発表し、改めてスケジュールを組み直すことを決めました。

銃撃が起きたウィスコンシン州に本拠地を置くバックスが、事件に抗議してこの日の試合のボイコットを決めたため、すべての試合の中止に踏み切った形です。

バックスは今シーズン、リーグ最高勝率をマークしている強豪で、事件を受けてバックスのマイク・ブーデンホルザーヘッドコーチは、チームの公式ツイッターで「過度な力を使う警察や社会や人種の正義のために戦い続けたい」と動画のメッセージを発信しました。
NBAでは、黒人の選手がリーグ全体の8割近くを占めていて、ことし5月に黒人のジョージ・フロイドさんが死亡した事件の後も八村塁選手など多くの選手が抗議デモに参加しました。
このほか、「黒人の命も大切だ」という意味の「ブラック・ライブズ・マター」の文字をコート中央の床に掲示するなど、リーグをあげて人種差別への抗議の意思を示してきました。

大リーグでも…

NBAの動きに後を追う形で、大リーグでも抗議のために試合を中止する動きが広がっています。

このうち事件が起きたウィスコンシン州に本拠地を置くブルワーズはレッズとの試合を中止しました。両チームの選手は共同で「人種差別と組織的な抑圧がもっと重要な問題だと注目してもらうために決断した」という声明文を発表しました。
大リーグではこの日、マリナーズ対パドレス、ドジャース対ジャイアンツの試合も中止となり、合わせて3試合が中止になりました。

アメリカのプロスポーツで人種差別に抗議する形で選手がボイコットしたり試合が中止になったりするのは異例で、抗議の動きがスポーツ界でも急速に広がっています。

アメリカスポーツ界に広がる抗議

アメリカではNBAや大リーグに続く形で人種差別に抗議する動きが多くのスポーツに広がっています。

アメリカのバスケットボールの女子プロリーグ、WNBAも26日に予定していた3試合すべてを延期したほか、北米のサッカーのプロリーグ、メジャーリーグサッカーは、「理由のない銃撃に対して深い悲しみと恐怖を感じる。われわれは引き続き黒人のコミュニティーとともにいる」と、人種差別を非難する声明文を発表しました。
このほかNHL=北米プロアイスホッケーリーグでは26日の試合開始前に人種差別を終わらせることについて考える黙とうの時間を設けました。