感染者情報集約システム 運用実態調査へ 厚労省

感染者情報集約システム 運用実態調査へ 厚労省
国が保健所の負担の軽減などを目的に導入した新型コロナウイルスの感染者情報を集約するシステムで、医療機関に求めているデータの入力作業を保健所が代行するなど計画どおりに運用されていないおそれがあるとして、厚生労働省が実態調査に乗り出したことが分かりました。
国は、ことし5月以降、新型コロナウイルスの感染者情報を集約するシステム「HER-SYS」の導入を進め、保健所を設置しているほぼすべての自治体が使用しています。

従来のシステムでは、保健所が医療機関から報告を受けてデータを入力していましたが、「HER-SYS」では保健所の負担を軽減するため、医療機関が直接、データを入力するよう国が求めてきました。

ところが、厚生労働省によりますと、一部の保健所で今も医療機関から送られたファックスを代わりに入力しているケースが報告されているということです。

このため、厚生労働省は計画どおりに運用されていないおそれがあるとして、実態調査に乗り出しました。

全国の自治体や医療機関に、アンケートで入力作業をどのように行っているかを尋ね、改善点や要望も聞き取ったうえで来月上旬に集計結果を取りまとめたいとしています。

「HER-SYS」をめぐっては、いまだに集計機能が使えないことなどから、国が感染状況を分析するうえで重要な「発症日」などのデータを把握できなくなっている問題も明らかになっています。