修学旅行生へ被爆体験語る講話再開 長崎

修学旅行生へ被爆体験語る講話再開 長崎
新型コロナウイルスの影響で中止されていた、長崎の原爆の被爆者が修学旅行生に被爆体験を語る講話が再開されました。
長崎市と被爆者や市民などで作る長崎平和推進協会は、被爆者が長崎市を訪れる修学旅行生などにみずからの体験を語る「被爆体験講話」の活動を行っていますが、新型コロナウイルスの影響で先月末まで中止していました。

講話の依頼の受け付けは今月から再開され26日、長崎原爆資料館で再開後、初めての講話が行われました。

26日は爆心地からおよそ3.3キロの自宅で被爆した、長崎市の被爆者、八木道子さん(81)が、中学生170人を前にみずからの体験を語りました。

この中で、八木さんは「近所の家の屋根がいくつも飛ばされて、夏なのにセミの泣き声もなかった。避難した防空ごうの中は異様な臭いがしていた」と当時の様子を振り返りました。

そして「私はあなたがたに平和のバトンを渡します。皆さんはきょうの話を帰ってから家族に話してほしい。それが平和を作ることにつながります」と訴えました。

講話を聞いた中学3年生の女子生徒は「被爆者のかたから聞く話は具体的で貴重な機会だった。これから学校の後輩などにこの話を伝えていきたい」と話していました。

八木さんは「マスクをしての講話は初めての経験でした。生徒の皆さんが真剣に聞いてくれたことが伝わってうれしかった」と話していました。