「理科」がいっぱい! ペットボトル

「理科」がいっぱい! ペットボトル
暑い日には、水分をとるためにペットボトルが手放せない人も多いのでは?おなじみのペットボトルですが、実はその形には、学校の「理科」で習う知識が詰まっているんです。今回はペットボトルの形にまつわる問題です!

問題に挑戦!

問題
「ペットボトルの容器は、大きく2つのグループに分けることができます。それは、図1のような形のグループと、図2のような形のグループです。炭酸飲料はすべて、図2のような形のペットボトルに入っていることに気づきました。炭酸飲料が図1のような形のペットボトルではなく、図2のような形のペットボトルに入っているのはなぜですか。その理由としてもっとも適当なものを下のア~オから選び、記号で答えなさい」
ア.飲料をつめやすいから
イ.こわれにくいから
ウ.作りやすいから
エ.冷やしやすいから
オ.運びやすいから
(麻布中学校 2013年 改題)
大きな違いは、図1は四角っぽくて、図2は丸いといったところでしょうか。
なぜ飲み物によって容器が分かれるのか、ペットボトルも作る総合容器メーカーの要賢一さんに教えてもらいました。

炭酸飲料用とそれ以外のペットボトルの違い

問題に入る前に、炭酸飲料とそれ以外の容器の違いはどこにあるのでしょうか。比べてみました。
8本のペットボトルを用意しましたが、要さん、一目で炭酸飲料用のものはわかるといいます。ポイントは、素材が硬いか軟らかいか、ではありませんでした。
要さん
「ポイントは、胴の部分が丸形であることです。もうひとつ特徴的なのが、底の形状です。丸形を基本として5本足の花びら状になっているのが炭酸ボトルです。底を見ればすぐ、炭酸用かどうかわかります」

炭酸飲料用ペットボトルの特徴

その形にどんな意味があるのか、特別に実験で見せてもらいました。炭酸飲料を炭酸用とお茶用のペットボトルにそれぞれ入れます。
数分もたたないうちに、お茶用のペットボトルに変化が現れました。
要さん
「炭酸ガスの圧力で、容器の中全体が外側へ押されています」
ボトルの形が変わってしまうと、商品として出回る際に傷がついたり、破裂したりするおそれもあるそうです。炭酸用は、外に膨らむ力に適した形になっているといいます。
要さん
「もともと胴の部分を丸くして、全体的に均一に圧力がかかることで膨らみを抑制しています。底もあらかじめ足を出して伸ばしておくことで、これ以上膨らまない形状にしています。圧力を均等に5か所に分散させているんです。あとは自立性ということですね。ボトルが立つというなかでは、5本足が最もバランスがいいとされています」
ということで、答えは「イ.こわれにくいから」です。

今回行った実験では、ペットボトルの本来の用いられ方では入れることのない液体を入れています。思わぬけがをするおそれがありますので、まねをしないでください。

胴が丸形で底が5本足になっているのが、炭酸飲料を入れるペットボトルの特徴だとしたら、お茶用のペットボトルはデザイン重視なのか、というと、それだけではありません。炭酸用にはない機能性があるんです。それも実験しました。

お茶用ペットボトルの機能性

今度はお湯を、お茶用と炭酸飲料用のペットボトルに入れてみました。
すると、炭酸用のボトルは形がいびつになってきました。これは、中のお湯が冷めるときに起こる現象だといいます。
要さん
「冷えてきたときに、中の体積が小さくなるので、『減圧』という現象が起こります。内側に引っ張られる力ですね」
お茶用のペットボトルは、デザインを工夫して、へこんでもいびつにならない形になっています。
要さん
「四角いペットボトルは柱と柱の間に凹凸のある『パネル』というものを設けていて、中身が冷えて縮まるときにパネルの部分がへっこむことで内側に縮む力を緩和させています。炭酸のときと真逆の強みを持っているということです」
この機能は飲料の製造工程で必要になってくるそうです。
要さん
「飲料メーカーで製造するときに、殺菌を目的として中身を加熱してそのままボトルに詰めるという方式もあります。冷やして飲むようなお茶も、ペットボトルには、熱いまま入れているものもあります」

進化を続けるペットボトル

さまざまな工夫が詰め込まれているペットボトル。これからどんな進化をするのでしょうか。
要さんは次のように話してくれました。
要さん
「昨今、地球環境問題が取り上げられていますので、ボトルに使う樹脂の量を減らしたり、リサイクルされた樹脂を使えるような方向に向いていくんじゃないかと思います」
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