ニューヨーク株式市場 半年ぶりに2万8000ドル回復

ニューヨーク株式市場 半年ぶりに2万8000ドル回復
週明け24日のニューヨーク株式市場は、景気の先行きへの期待からダウ平均株価は大幅に値上がりし、半年ぶりに2万8000ドルを回復しました。
24日のニューヨーク株式市場ダウ平均株価の終値は、先週末に比べて378ドル13セント高い、2万8308ドル46セントでした。

終値で2万8000ドルをつけるのは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で株価が急落する前のことし2月21日以来、半年ぶりです。

この日はアメリカのFDA=食品医薬品局が新型コロナウイルスに感染し回復した患者の血液の成分を別の患者に投与する「回復者血しょう」の緊急の使用を許可したと発表したことから景気の先行きに対する強気な見方が広がり、幅広い銘柄に買い注文が出ました。

また、ことし2月21日以来の高値で終えたことで、ダウ平均株価も新型コロナウイルスの感染拡大の影響で急落した分をほぼ取り戻した形です。

ナスダックの株価指数も最高値を更新しています。

市場関係者は「連日最高値を更新しているアップルやマイクロソフトなど、テクノロジー系の株価上昇に加え、この日は景気敏感株と呼ばれる銘柄が買われ、大幅上昇になった」と話しています。

回復するも「二極化」が鮮明に

ニューヨーク市場の株価は、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、ことし2月24日に急落したあと半年がたちましたが、実体経済が落ち込む中でも、大規模な金融緩和に支えられるなどして急速に回復してきました。

ただ、回復を引っ張ったITやハイテク関連に比べてほかの業種では安値が続くなど、「二極化」が鮮明になっています。

ニューヨーク市場の株価指数は、「ダウ平均株価」のほか、「ナスダック」、それに「S&P500」が代表的で、このうち最も早く回復したのがIT関連銘柄が中心のナスダックです。

ナスダックの株価指数は3月末に上昇に転じたあと、6月初めには急落前の水準まで回復し、これまでに20回以上最高値を更新しています。

アップルやアマゾン、マイクロソフトといったテックジャイアントとも呼ばれるIT関連銘柄は、「新型コロナウイルスの影響を受けにくい」として資金が集中し、大きく上昇しているためです。

また主要500社の株価で算出される「S&P500」もIT銘柄の上昇に支えられ、今月に入って最高値を更新するまでに回復しました。

さらに、「優良株」とされる30社で構成するダウ平均株価も、24日の大幅値上がりで、急落前の98%近くまで回復し、急落分をほぼ取り戻した形です。

ただ、ダウを構成する銘柄のうち、航空機大手ボーイングや金融関連企業の株価は低迷が続いています。

最高値を更新した「S&P500」を構成する500社で見ても、半数以上は去年末の株価を下回っていて、IT関連が大幅に上昇する一方で製造業や金融、サービスなどは回復が鈍い状況が鮮明になっています。

多くの業種で業績や株価が急回復する「V字回復」とは異なり、新型コロナウイルスの影響を受けやすいかどうかで、業績や株価が二極化していて、市場では「K字回復」とも呼ばれています。